広告予算の設定方法はCPAやリピート率から算出する!

2022/11/22

広告運用WEBマーケティング
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ぼったくり被害の増加により、マグネット広告のような集客方法は、煙たがられる傾向にあります。

SEO対策は時間とお金がかかり、成果も保証されない。ネットで集客したいが、リスティング広告にどれだけの費用を支払ったら良いのか分からない。

このような方は、どれくらいの値段で出稿すれば会社に利益が残るのか一緒に計算しましょう。

広告の基礎知識に関する内容はこちら▽

https://lab.safely.co.jp/web-marketing/ad-operation/web-advertisement/

売上の10%が広告費!という式はキケン!

広告費用は売上全体の10%で計画するという固定概念(ざっくりとした基準)が通説となっています。しかし、広告費用と望める売上を計算して算出された割合ではないため、10%と定めるのは危険です。

広告には、成約数や認知拡大といった効果が期待できますが、新規顧客の獲得では売上を望みにくく、リピーター化によって売上が増大できる投資としての役割もあるからです。

また、広告費を10%にしてしまったことで、認知や顧客獲得が中途半端になり自社を利用しようと考えた顕在層を逃してしまう可能性も考慮しなければなりません。

例えば、リスティング広告の場合、クリックによる課金システムであり、お客様が広告の内容をみた時に広告費用が発生します。2021年の全ての業界で掲載されたリスティング広告の平均クリック率は6.18%というデータから、最低でもPVを100,000とし、クリック単価を51円(2022.9現在のKW「トイレつまり」単価)とすると、広告費は315,180円必要です。

CPAが1万円で成約率が30%とすると、広告費用の回収だけで1人あたり4万円近い売り上げが必要となり、利益を残すには客単価や成約率を上げる必要があります。

クリック率データ参考:https://www.wordstream.com/blog/ws/2021/10/13/search-advertising-benchmarks

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実際に広告を出稿するには、自社がどのような売上構造になっているのかを再度確認した上で計算する必要があります。

自社の売上構造を理解する

そもそも売上とは客数×単価×利用回数で求められます。ここをさらに細分化していくと順序としてアポ獲得(問い合わせ・相談)→成約→リピーターへの転換→平均継続回数の測定となります。

▽顧客管理の重要性について

ビジネスにおいて欠かせない顧客管理|その重要性や方法を解説

アポ獲得数が少なくても、リピーターが多く単価が高ければ十分利益を生み出せるパターンもあります。

しかし、リピーターが少なければ、アポ・成約数を増やし新規顧客をターゲットに訴求し続ける、またはリピート率を上げていく戦略が必要と言えるでしょう。

アポ獲得率とは広告や口コミのPV数からアポイントを獲得できた割合のことをいいます。単価が高くても、リピーターを獲得している会社は、サービスに付加価値を発生させていると考えられます。コアなリピーターを獲得できれば、リピーターに対しての広告費用は発生しないため、コストがかからず大きな利益を生み出せます。

そのため、新規顧客に向けた直接的な訴求ができ、広告効果を追求できるでしょう。

新規顧客の継続率は?

新規顧客を獲得したは良いものの、他社に流れてしまったり、その後依頼がなくなったりしていませんか?広告を掲載し、顧客を獲得してもリピートできなければ大きな利益にはつながらず、広告効果は高まりません。

5:25の法則をご存じでしょうか。この法則はアメリカのコンサルティング会社Bain & Companyの調査から生まれた、顧客維持率を5%増加させると、利益が25%〜95%増加するという法則です。自社の顧客継続率を調査、把握することで、顧客に対してリピートされるサービスの検討や、他社の価格調査など対策を講じるきっかけとなります。継続率を上昇させる目的として、定期点検、スタンプカードやポイント付与といった顧客に特別感を演出するサービスが該当します。悪質な手法として、リピート率を高めるため、わざと破損箇所に気づいていても直さない悪質業者も存在することから、継続率は利益と直結しているとわかります。緊急性の高い業界では、一般的な商品やサービスと異なり、リピーターの獲得が難しいです。

自社の顧客情報で、1度利用した方の2回目、3回目の利用の回数と確率を計算することでより広告出稿のための予算と回収までの期間がわかります。

  • リピーター数の抽出
  • リピート率の計算

現状のリピート率を把握するため顧客管理を徹底し、リピーターを獲得できる付加価値を提供できるような施策を実行していく必要性を重視しましょう。

以下の記事でリピーター獲得について解説しています。ぜひ参考に一読ください。

▽顧客満足度を上げるには?

https://lab.safely.co.jp/others/customer_support/customer-satisfaction/

▽リピーター・ファンを獲得する方法

リピーター・ファンを獲得するための秘訣3選

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特に新規で獲得できた顧客の平均継続期間が重要です。

顧客獲得が広告費用回収のカギ!!

顧客を獲得することで広告の費用を回収することができます。初回の依頼から回収することはできませんが、リピートの依頼があれば、2回目に広告費用はかからないため、売上から初回でかかった広告費を回収できる計算です。

上記の画像を参考に例を上げてみましょう。1ヶ月、広告を掲載せず10人の顧客を獲得できた場合と、広告を掲載し50人の顧客を獲得できた場合を比較します。

  • 10人×売上12,000円=総売上120,000
  • 50人×(売上12,000−広告費10,000円)=総売上100,000円

このままでは広告を掲載した方が売上は少ないです。

しかし、50人中60%の30人がリピートした場合、広告費はかからないため

  • 30人×売上12,000円=360,000円

※リピートまでの期間は業界・業種によって異なる

顧客を獲得できないことにはサービスの良さや付加価値を顧客にアピールできませんが、広告を掲載したことにより、新規顧客の獲得を行うことができました。そこで獲得した顧客にいかに次回以降もサービスを利用してもらうか、顧客獲得がカギであると言えます。

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継続依頼の見込みが少ない場合、広告で売上を立てるには単価を上げる必要が出てしまいます。そうなると、ぼったくり業者と認定されないためには、お客様に具体的な金額の根拠や従来以上のサービスの質が求められるでしょう。

広告費はロジックで考える

広告を打ち出す際には「とりあえずやってみる」といった考えは推奨できません。

論理的にデータを収集し、仮説・目標値などを設定し細かな計算を元に実行しましょう。

CPAとCPOで考える

CPA

CPAとは顧客獲得単価とよび、顧客を獲得するために要した費用であり、問い合わせや資料請求も含まれます。広告費100万円に対して、獲得ユーザー数が100人だった場合、CPAは「10,000円」と算出されます。大切なのはCPAを下げることです。

例)訪問販売型の場合

「電話」「メール」「LINE」など様々な方法での問合せがある中で、より成約率の高い方法をサイト内で訴求していく。

例)ECサイトや無料サンプルを提供している場合

顧客体験(購入)のハードルを上げる等の方法が考えられます。

CPO

CPOとは、1件の注文を獲得(受注)するのにかかった費用のことです。CPO(新規顧客獲得単価)では利益にならない場合でも、リピート率やLTV(顧客生涯単価)で見ると投資として成功する場合があります。

  1. CPO10,000円
  2. 単価3万円
  3. 利益率40%

上記の場合、

広告経由(CPO1万円)からの売上

新規顧客の平均単価 30,000円
利益率 40%
利益 12,000円
売上 2,000円

この場合、売上は2,000円となっています。新規顧客1回だけの売上では赤字になる場合がありますが、LTVや購入頻度が高い場合には結果が異なります。

平均継続期間で考える

自社のビジネスモデルの平均継続率を知ることで、広告出稿の費用を算出することができます。この投資によって顧客をリピーター化できればどうなるか以下をご覧ください。

リピーターからの売上

新規顧客の平均単価 30,000円
利益率 40%
利益 12,000円
売上 12,000円+(広告経由時の売上2,000円)

初回は広告によって得られた顧客のため、広告費を差し引いた金額が売上でした。(2,000円)

他方、リピーターからの売上に関しては広告費用が発生しないため、リピートされた場合は、1万円の広告費で14,.000円の利益が出ることになります。広告出稿の際は自社のリピート率や継続率、LTVを理解した上で行う事でより効果的な投資にすることができます。

つまり広告は、新規顧客の獲得から、リピーターを得る施策とも考えられるでしょう。

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いかにリピーターが利益を生むのかが分かります。

広告運用費のシミュレーション

CPAを中心に解説していきます。下記グラフをご覧ください。

上記のグラフを参考にすると、CPAが低い金額であるほど、自社に残る利益が多くなります。CPAは低い金額であるほど良いとされていることがわかるでしょう。広告を掲載するにあたり、CPAを基準として目標を立て、指標を設けるプラン設計もあります。広告の運用を計画するにあたり、CPAの目標値を設定することが重要であり、運用代行を依頼するのも一つの手です。

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代行業者に運用を任せると、運用費用の10%〜30%近くを手数料として支払います。

成果を出すためには徹底的な検証を行う

広告の掲載によって求める成果を得るためには、掲載後も分析・改善が必要です。必要な対策として、定量調査・定性調査と合わせ、改善によって成果が増大した事例を紹介します。

定量調査

定量調査とは、サービス・社名の認知度や、購入・リピート率、顧客満足度といった明確に数値や量で表せるデータを集計し、分析する方法です。定量調査を行う目的は、成約率やサービスについての各データを調べる実態調査と、仮説をもとに検証を行う仮説検証があります。

例)男性と女性のリピート率の違いについてのデータ分析や、広告のA・Bテスト

定量調査を実施して得られたデータを具体的に分析し、改善点の立案につなげるといった行動が必要になるため、データから読み取る力を持った人が担当しなければなりません。不確定ではなく、すでに実行された内容からデータを収集するため、正確性も求められます。

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定量調査は、結果が明確に表れるので、実態の把握、仮説の検証、意思決定のための最良の判断材料になります。

定性調査

定性調査は、対象者(利用者から興味のない人まで)の意見を集める方法です。定量調査とは違い、ユーザーからの声を参考に、改善点やサービス向上を図る目的で使われます。口コミやアンケートが近しいものであり、ニーズの再選定、サービス内容の改善の参考にし、仮説を構築します。

仮説を検証し、細かな修正を行っていく方法の代表として、モニター割引が当てはまります。声を集める際も、サービス内容への意見より、利用した感想が強く出てしまわないよう気をつけましょう。

例)アンケート

  • 利用してみてどうでしたか?→助かった
  • 追加してほしいサービスはありますか?→他の水回りも点検してほしい

定性調査は利用者などの声を深く感じ取り、仮説を立てる力が必要です。正確なデータを得られない分、聞き出す方法・調査内容の解釈や理解度がカギとなります。利用後のアンケートや、サイトの口コミシステムを利用するといった方法を活用して情報を収集しましょう。

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数値化できない情報を探ることができる定性調査は非常に重要です。

改善・施策検討

得られたデータを元に改善や新たな施策の検討をしていきましょう。リスティング広告の改善事例として以下を紹介します。

例1

広告費に146万円かけ、CPAは34,000円でした。課題として、CPAの悪化・広告の運用難航がありましたが、広告の細分化・キーワード最適化・ロングテールキーワードの追加などの改善策により、CPAを16,000円と約50%下げることに成功しました。

例2

広告費約40万円かけリード数が5件とCPAは8万円かかっていた企業です。課題として、運用方法・改善方法が不明確でしたが、予算の増強・ABテストの実施・資料作成と無料配布などの方法から、広告費を600万円にし141件のリード獲得になりました。

例3

会社の認知が獲得できず、業績が右肩下がりに。月10万円を広告予算とし、リスティング広告を導入すると、8年連続売上増加を記録しました。

以上の例のように、すでに運用している広告の改善のほか、業績改善のため、少額から広告を打ち出す方法もあります。自社の状況やデータをもとに対策を樹立しましょう。

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解決策はとは限らないため、自社の問題に沿った解決方法を見つける必要があります。

広告設定を行ってみよう。

広告はデータ分析や事前の目標設定などが重要であり、広告掲載後も改善提案などを実施していく必要があります。初めての広告掲載はリスティング広告を推奨しています。掲載前の競合リサーチや、広告効果の分析・改善もしやすく他の広告に比べ比較的簡単に掲載へ進めます。

また、キーワードの入札価格によっては10万円前後など低予算から始められることから、まずはリスティング広告についての理解を深めましょう。

以下の記事でリスティング広告について解説してますので、広告実施の参考にしてください。
▽リスティング広告の始め方

リスティング広告の始め方と必要な予算について