近年、インフルエンサーマーケティングに注目が集まっています。その背景には、SNSの普及や発信方法の多様化により、ブランド力をもったインフルエンサーが現れ始めたことがあります。
しかし、このインフルエンサーマーケティングについて「そもそもどういうものかあまり分かっていない。」「インフルエンサーマーケティングについて詳しく知りたい。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
20代、30代はTwitterやインスタグラムなどSNSを買い物ツールとして使用している傾向にあるため、インフルエンサーマーケティングは非常に有効な手段と言えるでしょう。
この記事では、インフルエンサーマーケティングについて解説していきます。
目次
インフルエンサーマーケティングとは?
インフルエンサーマーケティングとは、主にSNSで大きな影響力をもつインフルエンサーに製品やサービスをPRしてもらう、マーケティングの手法です。
SNSの普及やコロナ禍の到来などといった時代の変化を受け、インフルエンサーマーケティングは市場を拡大し続けています。
2018年に219億円だった市場規模は2021年に425億円となり、2025年には723億円にも上ると予想されています。
昨今は、インフルエンサーがトレンドを作る傾向にあり、時代や周りの行動に敏感な女性はトレンドに対して非常に敏感です。また、インスタグラムに関しては見栄え良く写真を撮影・投稿する「インスタ映え」が注目を集めるなど、SNSの特徴が購買に起因しています。
そのため、SNSを利用している女性をターゲットとしてインフルエンサーマーケティングを実施することで、効果的に商品・サービスを販売できます。
SNSは拡散性が高く、女性の場合は口コミを広げてくれる傾向にあるため、同時に広告宣伝効果も期待できます。インフルエンサーマーケティングは、今後ますます注目が集まるマーケティング手法だと言えるでしょう。
インフルエンサーマーケティングで用いられるSNSの特徴
インフルエンサーマーケティングはSNSを中心に行われます。
そこで次に、以下のようなインフルエンサーマーケティングでよく用いられる主なSNSを5つご紹介します。SNSごとの特徴も紹介しますので、目的やターゲットに応じたSNSを活用してみてください。
- YouTube
- Facebool
- TikTok
それでは順番にご紹介します。
YouTube
動画コンテンツのプラットフォームであるYouTube(ユーチューブ)は、インフルエンサーマーケティングを行うのにうってつけのSNSです。
ユーザーの年齢層が幅広いことや、動画を用いることで文字だけでは伝えられない感情を伝えるられることなどが理由として挙げられます。
商品を実際に使ってみた生の声には非常に強い訴求力があります。インフルエンサーを通して消費者の感情に訴えかけられるのは、動画ならではの強みです。
登録者数1000万人を超えるHIKAKINさんが様々な企業とタイアップしてるのが最たる例です。登録者数が多いチャンネルとコラボすることで、多くのユーザーに情報を届けることができます。
YouTuberという存在が一般に認知されるようになった今、YouTubeはインフルエンサーマーケティングを行いやすいSNSだと言えます。
画像や動画を投稿するSNSであるInstagram(インスタグラム)も、インフルエンサーマーケティングに用いられます。
Instagramでは見栄えが良い、写りが良いなどといった、いわゆる「映え」を意識した投稿が注目を集めます。「映えた商品」の画像や動画は商品に良いイメージをもたせられ、広告宣伝になるという訳です。
また、短い動画を投稿する「リール機能」やライブ配信できる「インスタライブ」といった機能も広告宣伝に役立ちます。
Instagramもインフルエンサーマーケティングを行う上で欠かせないSNSです。
国内におけるInstagramの利用者数は2019年時点で3,300万人を突破しており、年々ユーザー数は増加しています。
Instagramを利用してインフルエンサーマーケティングを実施することで、ターゲットユーザーに対してのリーチが可能です。
さらに、ストーリーズ機能を利用することでリアルタイムにユーザーへアプローチをかけられます。
主に短いテキストを投稿するSNSであるTwitterも、インフルエンサーマーケティングに活用することができます。
気軽に使うことができるのでユーザーが活用する機会が多く、広告を目にする機会が多くなるからです。
また、Twitterにはリツイートという機能があります。これは、人の投稿を再度自分の投稿として拡散することができる機能です。
インフルエンサーの投稿は多くの人の目に触れるので、拡散される可能性も高いです。宣伝が拡散されることで、さらに多くの人に届けることが可能となります。
手軽さや拡散力を特徴とするTwitterにも、インフルエンサーマーケティングのチャンスがあります。
Facebookは世界で一番ユーザー数の多いSNSです。ユーザーが多いということは、宣伝効果を高めることにつながります。
収集したビッグデータを活用し、年齢や職業、興味関心に応じた広告を配信することができます。
日本では利用する年齢層に偏りがありますが、海外では主流のSNSで、インフラレベルの使われ方をしている国もあります。海外の市場も狙う場合、必須のSNSと言えるでしょう。
TikTok
短い動画を投稿するSNSのTikTokは、10代を中心に利用されています。
カジュアルな雰囲気をもち若者の人気を集めているため、若年層をターゲットにする商品を宣伝したい場合は最適のSNSです。
ユーザーの間では#ハッシュタグチャレンジという拡散性の高い企画が行われています。この拡散性を宣伝に生かすこともできます。
インフルエンサーマーケティングを実施するメリット
ここからは、インフルエンサーマーケティングを実施するメリットを紹介します。
インフルエンサーマーケティングには、SNSを活用することならではのメリットがあります。メリットを知って、製品のPRに生かしましょう。
メリットは以下の4つです。
- ターゲティング精度が高い
- 消費者目線のレビューを提供できる
- SNSとの親和性が高い
- 販売と製品イメージ向上を同時に実施可能
順番にご紹介します。
メリット1:ターゲティング精度が高い
インフルエンサーマーケティングは、ターゲティング精度が高いことが特徴です。
インフルエンサーの発信を受け取るユーザーの年齢や属性を把握することで、ターゲット層に狙いを定めて宣伝することができるからです。
例えば、若者向けの商品を宣伝したい場合は、若者に注目されているインフルエンサーを起用すると効果的な宣伝になるでしょう。
ターゲット層のユーザーに合わせてSNSを使い分ける方法もあります。
若者中心のTikTokでは若者をターゲットとした商品を、ユーザーの年齢層が高いFacebookなどは高い年齢層向けの商品を宣伝する、など言った具合です。
インフルエンサーを介することで、特定の層を狙って宣伝することができるという訳です。
メリット2:消費者目線のレビューを提供できる
インフルエンサーにレビューをしてもらうことで、消費者目線のレビューを発信することができます。
企業が発信する宣伝は企業側から見た情報を伝えるにとどまります。これだけでは、ユーザーの信頼を得づらいでしょう。
インフルエンサーを起用することで、消費者側の声をユーザーに届けることができます。同じ消費者の目線でのレビューは、信頼しやすいものです。しかも、自分が好きであったり価値を置くインフルエンサーとなればなおさらです。
商品を購入してもらうためには信頼が欠かせません。インフルエンサーに消費者目線のレビューをしてもらうことで、ユーザーの信頼獲得を担ってもらうことが可能です。
メリット3:SNSとの親和性が高い
SNSとの親和性が高いこともメリットとして挙げられます。
宣伝のために影響力のある人を起用しても、情報を届ける手段がなければ宣伝効果を上げることはできません。
従来のタレントであっても、発信源はテレビやラジオなどに限られました。
現代ではSNSの普及が普及し、一般人でも発信力をもてるようになったことからインフルエンサーマーケティングが有効な手段になりました。
メリット4:販売と製品イメージ向上を同時に実施可能
インフルエンサーマーケティングでは、販売と製品イメージの向上を同時に行うことができます。
SNSによる発信で宣伝をしながら、商品のリンクを貼ることでSNS内から購入することが可能だからです。
例えば、YouTubeでは動画の中に企業サイトのリンクを貼ることができます。動画を見たユーザーが、気になったら購入に移ることができます。
宣伝をして影響を与えたら、すぐに購入に移させることができるのがインフルエンサーマーケティングの強みです。
インフルエンサーマーケティングを実施するデメリット
次に、インフルエンサーマーケティングを実施するデメリットも紹介します。デメリットを把握しておくことで、実施する方法に注意することができます。
- 商材に最適なインフルエンサーを見つけづらい
- 炎上のリスクがある
- インフルエンサー自体を自社でコントロールできない
順番にご紹介します。
デメリット1:商材に最適なインフルエンサーを見つけづらい
インフルエンサーマーケティングは誰を起用するかが全てを分けます。この人材選定がとても難しいです。
なぜなら、フォロワー数が多い=人気とは限らないからです。人気や知名度があるインフルエンサーでも、支持するユーザーと商材の相性が悪ければ売れません。
年齢層、性別、職種、発信内容など検討事項は様々あります。情報をくまなく確認し、商品のイメージと合致するインフルエンサーを起用しなければ、宣伝効果は得られないでしょう。
インフルエンサーなら誰でもいいというわけではないのが難しさの一つです。
デメリット2:炎上のリスクがある
SNSを用いた宣伝なので、炎上のリスクがあります。
炎上とは、発信に対して批判的な意見が集中する現象のことを指します。
商品の宣伝をするのはインフルエンサー自身なので、企業側の意図とは異なる伝わり方をしてしまう場合があります。
炎上は批判的な意見が集中するので、イメージが悪くなります。インフルエンサー自体の印象だけならまだしも、商品のイメージ低下にもつながりかねません。
インフルエンサーを起用する場合は、炎上の可能性があることを念頭に置いて、細心の注意を払う必要があるでしょう。
デメリット3:インフルエンサー自体を自社でコントロールできない
企業側がインフルエンサーを100%コントロールすることはできません。あくまで宣伝を依頼する側であり、従業員として働いてもらう訳ではないからです。
そのため、細かい要望や条件の交渉などで、希望と合致しない場面がでてくることもあるでしょう。
他者に依存するということも、インフルエンサーマーケティングのデメリットです。
インフルエンサーマーケティングの活用方法
最後に、インフルエンサーマーケティングの活用方法を3つご紹介します。
- ハッシュタグを付けて継続的に発信してもらう
- ジャンルを絞って複数のインフルエンサーにPR依頼をする
- 製品LPにインフルエンサーの投稿を掲載
自社に合った活用方法を知ることで、有効な宣伝をすることができるでしょう。
ハッシュタグを付けて継続的に発信してもらう
ハッシュタグを付けて発信してもらうことは宣伝につながります。
近年はハッシュタグをつけて投稿したり、ハッシュタグで検索する文化が定着してきています。継続して発信を続けることで、タグを使うユーザーが増えるでしょう。
カネボウ株式会社が展開するコスメブランドKATEは、TikTokで「#ゼロダンス」をつけた投稿を促すPR方法を実施しました。インフルエンサーのひかりんちょさんを起用したことで、広く宣伝することができ、商品理解に貢献しました。
SNSで宣伝を行う上で、ハッシュタグは欠かせない要素です。
ジャンルを絞って複数のインフルエンサーにPR依頼をする
目的もなくインフルエンサーを起用するだけでは、宣伝の効果を高めることはできません。
インフルエンサーごとに特徴や属性があり、宣伝したい商品とマッチしなければ意味がないからです。
そこで、何を届けたいのかを明確にし、商品に適したインフルエンサーを絞ることをおすすめします。
ジャンルを絞ると属性の近いインフルエンサーを見付けることができます。商品イメージとマッチしていれば宣伝効果が見込めるので、複数人に依頼するのも一つの手でしょう。
製品LPにインフルエンサーの投稿を掲載
製品のLP(ランディングページ)にインフルエンサーの投稿を掲載することで、より効果的な宣伝にする方法もあります。
LPを見にきたインフルエンサーのファン層の信頼を獲得することができるからです。
実際にInstagramでは「ブランドコンテンツ広告」という機能があり、インフルエンサーの投稿を企業のLPに掲載することができます。
インフルエンサーの力を借りることで、より訴求力の高いLPに仕上げることができます。
まとめ
以上がインフルエンサーマーケティングについての説明になります。
SNSが一般的に使われるようになった時代だからこそ、インフルエンサーマーケティングを活用することは欠かせないものだといえます。
この記事で紹介したメリットやデメリット、活用方法を生かして、宣伝に役立てていただきたいと思います。