サイトは集客のツールであると同時に、成約につなげる窓口のため、サイトの改善によって売上を上げられる可能性があります。
しかし、改善する知識を持っていなければ、制作会社とスムーズにコミュニケーションを取りにくいです。
ここでは自社で問題点を見つけ、ロジカルに解決する方法を徹底解説します。
売上増加のためにサイトを改善したい方は最後まで読んで参考にしてください。
サイトの問題点を探す
サイトの問題点とは想定していた結果に対して不足している箇所を認識する必要があります。
ゴールの設定の再確認
現在あるサイトは何を目的として運用していますか?
サイトを運営するにあたって設定したゴールと、サイト内の構成にズレがあった場合、求めている成果を得られにくいです。
例としては、
- 定量目標
「お問い合わせ数を月に1,000件獲得する」「新規顧客を月100件獲得する」 - 定性目標
「コーポレートサイトとして信頼制を高める/情報を提供する」「既存顧客への継続的なサービス提供」
などゴールによってサイト内の構成が変わってきます。
特に重要なポイントは以下の2点です。
- どのような体験をしてもらうか
- 企業のゴールが達成されるか
「売上を上げる」「資料請求を増やす」「電話相談する」など、上記のゴールに対しての課題を発見し、状況を分析する必要があります。
課題発見の例
埼玉県の地域に密着した水道修理業者が運営しているサイトの、アクセス数が減っている場合の要因を噛み砕いていきましょう。
サイトを閲覧したユーザーが、新規ユーザーか、リピーターかによって改善方法が異なります。
新規ユーザーの減少
地域密着型のサイトである場合、流入するユーザーは限られているため、新規ユーザーが減っている要因として、以下が挙げられます。
- リピーター化し新規ユーザーが減っている
- 競合他社サイトに流れ、流入が減っている
等が考えられます。
リピーターの減少
リピーターが減っている場合は以下が挙げられます。
- 最初の閲覧からの行動で悩みが解決した
- 他社サイトの方が利便性がよく、ユーザーが流れた
- リピートする物(サービス)が無くなった
業界によってはリピーターを獲得しにくい場合もあります。その場合、「どうやってリピーターになってもらうか」という導線も重要になります。
他社サイトに流れていると仮定した場合、競合分析を行う必要があります。分析結果によっては、広告やサイト内の訴求方法の変更が必要です。
セーフリー
サイト改善の手がかりを探す
サイトを改善する上で必要なデータは以下の通りです。
- アクセス数
- CV数
- CVR
- 滞在時間
- 離脱率
上記のデータはGoogleアナリティクス等で得られます。どこを改善のポイントとするかによって対策は変わってきます。
問題点の仮説を立てる
サイトの問題点を探り、改善の仮説を立てる方法として1つ例を作成しました。以下はサイト運営の概要です。
- 顧客獲得3,000件がサイトの目的
- CVポイントは電話対応と設定
- 各KPI(総アクセス:月1万PV、CVR:30%、滞在時間:5分、離脱率:50%)
- アクセスの中心はSEM(SEO、リスティング広告)
- ターゲットは東京を中心とした関東圏
目的 | 新規顧客3,000件獲得 |
CVポイント | 電話対応 |
KPI | CVR:30% |
KPI | 月1万PV |
主要集客方法 | SEM(SEO、リスティング広告) |
対象地域 | 東京を中心とした関東圏 |
上記が設定されたサイトの現状を以下のとおりとします。
- 総アクセス:6,000PV、CVR:40%、滞在時間:6分30秒、離脱率:70%
- アクセスユーザーは関東圏が8割、他2割
- スマホ表示未対応
上記のような現状の場合、ターゲットも狙い通りであり、CVRも目標に到達しています。しかし、アクセス数が足りないため、目標の3,000件の電話対応まで600件不足しています。600件のお問合せを獲得するには、追加で1,500件のPVを獲得する施策が必要となります。
また、平均5分ほどで解決する予測でしたが、1分30秒も長く、離脱率も20%上回っている状態から、以下の要因が浮上します。
- SEMからのアクセスが獲得しきれていない
- 電話や申し込みフォームに時間がかかっている
- サイトが利用しにくいため離脱されている
流入したユーザーに対してCVは獲得できているため、読者に対する訴求は問題なく優秀だと考えられる反面、スマホ表示の未対応などの課題が離脱率に影響していると考えられます。
上記から考察し、サイトの改善策の仮説は以下が挙げられます。
- SEM施策の強化(キーワードの見直し、競合分析、タグ改善など)
- 利便性の向上(ページ分割や分解・各所ボタンの設置など)
- スマホ表示の対応、最適化
このように、1つのデータからでも多方面で要因や改善策が見つかるため、1つに固執せず多角的な検証が重要です。
また、サイト立ち上げ時に設定したKPIもあくまで仮説であるため、実際の運営状況・目的・業界などから推察し、数値に固執せず前提の見直しも検討しましょう。
サイト改善の成功例
アクセス増加を目的にサイト改善を行った会社の成功事例を紹介します。この会社はコロナ禍の影響を受け、デジタル方面の施策強化の必要があり、安定したリード獲得のため、サイトアクセスを増加させる目的がありました。
行われたサイト改善は以下の通りです。
- クロールやインデックスされやすいよう、検索にひっかりやすいページを分解した
- ページ内の回遊率を高めるリンクの設置
- 実装難易度の低いSEO対策を実施
検索流入を主としてSEO対策の改善により、ビックキーワードでの上位表示獲得や検索経由からのCVが130%向上しました。
他にも、離脱率の改善のため、サイト内のセールスを減らし、ユーザーの欲しい情報を充実させ、離脱率や回遊率を向上させたことにより、上位表示KWを獲得できたという実例もあります。
仮説はあくまで推測でしかないため、仮説を検証し効果を確かめる必要があります。
セーフリー
売上にインパクトのある施策から進める
改善のため、データを集めていると原因は1つとは限らず、数多く見つかります。全ての改善を同時に行うのは困難なため、優先順位を設けましょう。
売上に直結する施策としては下記のポイントが挙げられます。
- CVページの設置
- CVRの改善
- SNSを活用した即効性のある集客(リンク設置により流入元を広げる)
- サイト内のカテゴリやタグを用いた回遊率向上
- アフィリエイトやリスティングなど広告の掲載
手軽に改善できるかつ効果が大きい施策を行っていくと良いでしょう。
セーフリー
スマホ対応は必須
総務省の2020年インターネット利用状況の調べによると、スマートフォンを使ったインターネット利用は68.3%、パソコンが50.4%、タブレット端末が24.1%と、パソコンよりもスマホやタブレットなど縦型の画面が中心になっています。
また、Googleは検索エンジンのアップデートの中でモバイルユーザビリティの向上として、スマホに対応したサイトの評価を追加しているため、サイトのスマホ対応は必須です。
現在のサイトがスマホ対応ではない場合、滞在時間の短さ・離脱率の高さに直結している可能性があるため、確実に確認しましょう。
セーフリー
▽集客に直結するサイト最適化の方法
https://lab.safely.co.jp/web-marketing/site_improvement/website-optimization/
KPI設定
KPIとは最終目標(KGI)を達成するために設定する中間目標です。
サイトには分析するデータが多くあるため、改善ポイントを把握するためにKPIを設定し管理していく必要があります。
流入チャネル毎にKPIを管理する
全体の目標アクセス数を達成するために多くの施策を実施しても、それぞれの流入数を管理して改善ポイントを探っていかなければ、トータルの目標に届かない可能性があります。
流入チャネルとしては以下が挙げられます。
- SEO
- SEM
- アフィリエイト
- SNS
- リスティング広告
- メール
- その他
SEMは検索エンジンを利用したマーケティングの総称のため、SEO・リスティング広告が含まれます。
トータルの目標を定めたとき、上記チャネルから均等に流入数を操作するのは現実的ではありません。
10万PVを目標とした場合
SEMから7万、アフィリエイトから1万、SNSから1万、メールから5千、その他で5千と見込み数の仮説をたて、実際の流入から目標値の変更やチャネルの改善に役立ちます。
また、KPIの設定により広告の必要費用や、SNSのフォロワー数など細部まで見えてくるため、各チャネルへのKPI設定と管理の必要性がわかります。
偶然性のあるチャネルは別で管理する
- アフィリエイト
- SNS
- ディスプレイ広告
など上記チャネルは突発的なトレンドや「バズる」現象が起こりやすく、実態が掴みにくいです。
想定外のトラフィックがあると、離脱率やCVRに影響があり、施策による改善が分かりにくくなります。
流入チャネルの特性から目標数値を検討する
各流入チャネルには即効性や遅効性、かける費用による効果など、それぞれに特性があります。
期間や予算によって、力を入れるチャネルが変わるため、それぞれの特性を把握しておきましょう。
直接検索
直接は検索やSNSを通らずサイトを閲覧しています。
つまり、お気に入りなどから来ているセッションは施策でコントロールすることが難しいです。すでにリピーター化している顧客であると想定されるため、施策が必要ないという考えもあります。
SEO,SEM
SEOとはじっくり時間をかけて行う施策です。SEMは広告費に応じて流入数を大きく増やすことが可能です。目標を決めることで、施策を検討することができます。
▽SEO徹底ガイド
https://lab.safely.co.jp/web-marketing/seo/seo-conclude/
数字の確認方法
毎日全てのデータを確認し続けるのは簡単ではありません。どのような数値や変化を確認すると良いのか、以下をみていきましょう。
数字がいきなり増えた際は要注意!
SNSやネットニュースなど外部の影響の可能性が高いため、施策により計画して増えたのか、どのページから増えたのかを確認する必要があります。
ネガティブな内容によってPVなどが急増している場合も視野に入れ、他に自社に与えそうな影響を考慮し、必要とあらば内容の更新を行いましょう。近年では些細なことでも取り上げられてしまう場合が多いため、注意してください。
チェックすべき数値
この項では以下について解説します。
- SEO担当者の場合
- サイトトップページを変更した場合
SEO担当者の場合
一般系のキーワードからの流入とコンバージョンを確認しましょう。
SEO対策の一環として行っている施策で、想定読者に対してどのような価値提供を行っているのか、誘導したい先に遷移されているかを定量的に把握することができます。
検索による流入が狙ったKWとずれている場合は、KWの変更により検索順位が改善されることもあるため、「Google Search Console」など検索データを取れるツールを活用しましょう。
また、CVRを把握しておくと、CVページの追加や内部リンクによる誘導などの対策を打ち出せます。
サイトのトップページを変更した場合
サイトのトップページを変更した場合は、以下の数値をチェックしましょう。
- 直接
- 指名検索
上記から流入したユーザーは顕在層であるため、申し込みや電話相談しやすいよう、トップページのナビゲーションの工夫やユーザビリティを改善すると、CVRが上がりやすくなります。
直接流入・指名検索からのCVが少ない場合はトップページを改善しましょう。
セーフリー
サイトの変更ができたら・・・
サイトの変更を行い、電話対応を改善することで、売上に直接的な影響を与えることができます。
サイトは集客の窓口であるため、サイト改善により電話相談が増えてきても、成約に繋げられなければ売上には直結しません。
以下の記事を参考にし、電話対応の改善の参考にしてください。