水道工事業界にとって大きな問題とも言えるぼったくり被害は年々増加傾向にあります。その多くはインターネットからのwebサイトによるもので、多くのユーザーが警戒を強めています。
そこでこの記事では、ぼったくり業者のサイトの特徴をまとめ、ぼったくりサイトだと勘違いされないサイトを解説しています。
自社のwebサイトと掲載内容を見比べながら、改善ポイントを探していきましょう。
目次
高額請求に悩むユーザーの数
東京都の消費者相談センターに寄せられた水道工事に関する相談件数は、令和2年度で954件。そのうち高額請求の割合が約80%と高い割合で高額請求に悩まされている方がいるとわかりました。
東京都に限らず、各県でもこのような悪徳水道業者に高額請求されたという相談があり、全国的な問題と言えます。
参考:東京都消費者相談センター
悪徳業者が増加している背景として、インターネットの普及によりGoogleでの検索が主流になったことが挙げられます。緊急時での検索では正常な判断と情報の裏付けを取ることが難しく、リスティング広告によって上部表示された悪徳水道業者のサイトから申し込み高額請求へという流れが生まれています。
若年者の被害が増加している現状から総務省やデジタル庁では、若年者のインターネット上の情報リテラシーが足りないと考え積極的な教育を行っています。
大手水道修理業者のクラシアン様もオウンドメディアにて「悪徳業者の特徴」といったコンテンツを発信しており、ユーザーに対して悪徳ではないと、さまざまな形で伝える必要があると言えるでしょう。
悪徳サイトの特徴と手口
悪徳業者のサイトの特徴と手口を、実際の事例を交えて以下の3つを紹介します。
- 悪徳サイトの特徴
- 悪徳サイトの常套手段「リスティング広告」
- 業務停止命令まで発展した事例
自社のサイトが当てはまっていないか気にしながら読み進めてみてください。
悪徳サイトの特徴
サイトの改善点を探る上で、悪徳サイトの特徴を認識しておきましょう。
- 極端な低価格(千円以下など破格)
- 会社概要が記載されていない、または正確ではない(偽名)
- 顧客満足度などの表記に第三社調べや調査した人数などソースの表記がない
- 知名度がない架空の業者サイトである
- 有名業者の名前を使った広告
- 信頼性に欠ける評判や口コミの欠如(第三者機関の記載なし)
- 水道局指定工事店の表記がない
- 現金のみの対応
この中から特に注意すべき3点を解説します。
極端な低価格
最初は安価で高額請求してくる場合と、最初から高額に設定しておいて、ユーザーが後日適正価格に気づくパターンの2種類がありますが、多いのは圧倒的に安価に設定しているサイトです。
以下の画像をご覧ください。
web割引は多くの水道事業者様が行っている戦略ですが、画像のサイトに掲載されている基本料金は圧倒的に相場以下で設定されています。これは一般的に水道修理の相場を知らないユーザーをターゲットとしているからでしょう。
Twitterにて「水道修理 相場」と検索してみたところ以下のツイートがありました。
有識者、水道修理代3万って高いですか????????????????
相場どんなもんすかね????????😰😰😰😰— 倉草ぎゃおこ (@GiGueYoWoN) October 17, 2022
水道修理に7万9000円
かなりボラれたけど、もう使えるならいいや、相場とかわからんし— タナ (@tananky) May 9, 2021
また、適正範囲内の工事であっても、高額な材料を使用したことで金額が上がってしまった状況をぼったくりと感じてしまう方もいます。
セーフリー
顧客満足度の捏造
顧客満足度は、新規顧客獲得や自社の評価向上に役立つトピックです。しかし、顧客満足度や支持率といった評価の掲載には注意が必要です。
画像
一見優良企業に見えますが、数字だけの表記は根拠がなくても書けるため、ユーザーを騙すことができてしまいます。「第三者機関が実施したアンケートである」ことがわかる内容を公開するように注意しましょう。
セーフリー
悪徳サイトの常套手段「リスティング広告」
リスティング広告は、Google広告というサービスから検索画面に広告を表示できる広告サービスです。SEOとは括りが異なり、広告単価を高額に設定すればどんな事業者でも検索画面上部に表示が可能です。
そのため、緊急性が高く正常な判断が難しい状態のユーザーにとって、「割引で190円」や「満足度97%」といった謳い文句は魅力的に感じるでしょう。
セーフリー
業務停止命令まで発展した事例
2021年に、株式会社アクアラインという悪徳水道業者が消費者庁より業務停止命令を受けました。その内容は、
- クーリングオフできるにも関わらず、クーリングオフができないよう装った。
- トイレに対して、誠実な対応を見せず、高額な請求をするために、トイレ一式の交換を半強制的に行おうとした。
- 恐喝的な対応を行った。
というものです。しかし、本記事において特筆すべきは、利用者がこの事業者のwebサイトを見てから依頼を決めたことです。このような事例があるということは「このサイトの会社は健全な会社なのだろうか」と水道事業者様サイトからの申し込みを踏みとどまってしまう利用者がいてもおかしくありません。
参考:
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_transaction_cms203_210831_01.pdf
セーフリー
ぼったくりの悪徳業者サイトだと思われないために
ぼったくりの悪徳業者サイトだと思われないためには、自社のwebサイトにてさまざまな情報を掲載しておく必要があります。以下を参考に、全てが掲載されているか確認しながら読み進めていきましょう。
- 会社概要を明確に記載
- 見積りの明確さと状況による追加料金が必要であるといった説明
- 従業員の顔出し
- 工事事例の掲載
- 水道局指定工事店であると掲載
それぞれ見ていきましょう。
会社概要を明確に記載する
セーフリー
お客様
セーフリー
- 会社の名前
- 設立年月日
- 本拠地などの所在地
- 代表者情報
などを掲載しましょう。
お客様
セーフリー
会社の透明性をアピールし、Googleマップなどの第3者的情報による裏付けで信用を得られやすくなります。
見積りの明確さと状況による追加料金が必要であるといった説明
お客様
セーフリー
以下を掲載しましょう。
- クーリングオフの説明と遵守
- 見積もりの詳細(工費・材料費・出張費など)
「何に」どれくらいのお金が必要なのか記載しておくことで、後々のトラブルも軽減できるようになります。
三層管のお客、某緊急水道に連絡したら三層管交換で税込99,000円って言われたんですよ!酷いですよね!おたくはいくらですか?えっ?55,000円ですか?それでも高いなぁ。今からきてくれ?(時刻は22時半)もう少し安くならないですかね?ぼったくりっすよ。
終⁰制作・著作⁰━━━━━⁰ ⓃⒽⓀ
— 生粋ではない水道設備屋M (@iidadan0325) May 4, 2023
お客様
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従業員の顔出し
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お客様
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お客様
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顔出しがユーザーに与える信用は大きいと考えられます。
工事事例の掲載
セーフリー
お客様
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お客様
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水道局指定工事店であると掲載
セーフリー
お客様
セーフリー
お客様
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水道局指定工事店になるためには?
認定されるためには以下の条件が必要です。
- 厚生労働省が指定した給水工事に必要な工具類を持っていること
- 必要書類を提出すること
- 手数料を納めること
- 給水装置工事主任技術者が在籍していること
- 欠格事項に当てはまらないこと
欠格事項とは次のようなものです。
- 心身の状態が悪く、工事が適切にできない人
- 破産後復権してない人
- 違法業務で指定工事店の認定を取り消されてから、2年経過していない業者
- 業務で不正行為をする可能性がある人
- 法人では、上記のような人が役員に含まれる場合
水道局指定工事店に認定されれば、権威性が向上しユーザーからの信頼も得られやすくなります。施工できる種類も広がるため、デメリットはほとんどありません。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▽「水道局指定工事店」の訴求で選ばれる業者に!「権威性の法則」を用いたマーケティング
コンテンツの発信等によるブランディングも需要
サイトには申し込み以外にも、コンテンツを発信することで、ユーザーに自社の認知や信頼性の向上を促す効果があります。
お客様
例えば、「ぼったくり業者の特徴」を紹介しているだけで、安心感は大きく変わってきます。他にも、相場に関するコンテンツや、「水漏れが起きた時に、対処すべきステップ」といったユーザーファーストな内容は強いブランディングになるでしょう。
クラシアン様やイースマイル様など、全国的に展開している企業は実践していますし、ユーザーからの信頼も厚いと予想できます。
お客様
コンテンツの発信方法はさまざまです。サイト内のブログやSNSを利用した情報発信も可能です。
お客様
セーフリーラボを運営しているネットKENでは、webマーケティングに関するご相談や集客のサポートを行っています。お気軽にご相談ください。
コンテンツの発信によるマーケティングをコンテンツマーケティングと呼びます。気になる方は以下の記事を参考にしてください。
ぼったくりサイトとの差別化と透明性を意識した改善が重要
ぼったくりだと疑われないためには、ぼったくりサイトの特徴に当てはまらないサイト構成が重要です。特に水道局指定工事店の認定や会社概要の掲載はユーザーに対して確かな信頼感や安心感、ブランド性を与えます。
自社の誠意を疑われないためにも、ぼったくりサイトとの差別化を図り、信頼性のある会社だとアピールしましょう。