Webサイトからの集客を検討している場合、SEO対策について耳にしたことがある方も多いでしょう。SEO対策を実施することで、ページランクが向上し、Webサイトの流入数向上が期待できます。
しかし、「そもそもSEO対策ってなに?」「SEO対策を実施して本当に効果はあるの?」などの疑問が出てくるでしょう。
そこで本記事では、SEO対策の概要や知っておくべき考え方、実施するメリット・デメリットについて解説します。
目次
SEO対策とは?
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語訳すると検索エンジン最適化です。GoogleやBingなどの検索エンジンに対して、自社Webサイト・コンテンツを理解されやすいように最適化することを指します。
公開したWebサイトやコンテンツの情報が、検索エンジンを閲覧しているユーザーにとって価値のある内容であれば、検索結果上位に表示される仕組みになっています。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンには、クローラーと呼ばれるWebサイトの情報を集めてデータベース化するロボットが搭載されています。クローラーが検索エンジン内のWebサイトを解析(パージング)することで、検索結果に表示されます。
つまり、Webサイトがクローラーに解析されていない場合、いくら検索しても結果に表示されることはありません。SEO対策を施して、クローラーに分析してもらいやすいWebサイトを構築することで、検索結果上位に表示させることが可能です。
ドメインパワーとは?
ドメインパワーとは、WebサイトのSEOの強さを示す数値です。ドメインパワーが高ければ、検索エンジンから高い評価を得ているWebサイトと判断できます。2010年ごろまではGoogle社がドメインパワーを調べるツールを提供していましたが、2022年2月時点では提供を中止しています。
外部ツールになりますが「パワーランクチェックツール」や「MOZ」を利用することで、Webサイトのドメインパワーを把握可能です。ドメインパワーが高ければ、コンテンツが検索上位に表示されやすく、素早くインデックスされます。
そのため、SEO対策を実施して、積極的にドメインパワーを高めることが重要です。
SEO対策の種類
SEO対策は大きく分けて、以下3つの種類が存在します。
- 内部対策
- 外部対策
- コンテンツ制作
内部対策
内部対策とは、Webサイト全体の構造を改善することを指します。Webサイトの画像やHTMLタグ・リンクなど、正しく設置されていなければ検索エンジンから認識されずらくなります。
代表的な内部対策は、以下の通りです。
- HTMLタグの最適化
- 画像のaltタグ設置
- XMLサイトマップの作成
- パンくずリストの設置
- SSLの適用
- セキュリティの強化
- メタディスクリプションの最適化
- モバイルファーストのインデックス対応
内部対策を施すことで、検索エンジンのクローラー巡回を促し、コンテンツの理解度を高められます。外部対策やコンテンツ制作を実施した場合でも、内部対策が疎かだとクローラーリビティを高めることができないため注意しましょう。
外部対策
外部対策とは、被リンクやサイテーションの獲得など、他のWebサイトやコンテンツから評価してもらうことを指します。
SEO対策は内部だけでは検索エンジンから評価を得ることができません。外部からも適切に評価してもらうことで、検索エンジンからの評価を高められます。
代表的な外部対策は、以下の通りです。
- 被リンクの獲得
- サイテーションの獲得
関連性・権威性の高いWebサイトやコンテンツから被リンクを獲得できれば、ドメインパワー・ページランクの向上が期待できます。
ただし、効果のある被リンクはナチュラルリンクに限定されるため、金銭のやり取りでリンクを獲得する行為は控えましょう。
コンテンツ制作
コンテンツ制作とは、良質なコンテンツを制作することを指します。情報量の少ないコンテンツを複数制作するよりも、ユーザーにとって有益な情報を盛り込んだコンテンツを絞り作成する方がSEO対策として効果的です。
また、良質なコンテンツを制作する方法は以下の通りです。
- キーワードの選定
- 検索意図・ペルソナの分析
- 競合サイト調査
- タイトルと見出しの構成を作る
- ライティング
いきなりライティングを始めるのではなく、自社に最適なキーワードの選定や競合サイトの調査が重要です。
必要な情報を揃えて、ユーザーニーズに沿ったライティングを実施することで、良質なコンテンツの作成が可能です。
SEO対策を実施する前に把握すべき考え方
gs.statcounter.comの調査結果では、2021年11月時点の検索エンジン利用率は以下の通りです。
- Google:75.48%
- Yahoo!:19.48%
- bing:4.59%
Googleの利用率が全体の7割を占めているため、Googleを基準にSEO対策を実施する必要があります。そこで、Google社が発表している「Googleが掲げる10の事実」を把握し、この考えに即してSEO対策を行うことで、評価を高めることが期待できます。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
さらに、SEO対策を行う上でGoogle社が発表している、基準となる考え方は以下3つです。
- E-A-T
- YMYL
- 不正行為
E-A-T
E-A-Tとは、ユーザーニーズを解決するコンテンツを作成できているかを判断する基準のことです。
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trustworthiness:信頼性
Google社は、上記3つのポイントを抑えたコンテンツを作成することで、ユーザーに最適な情報を届けられると言及しています。
YMYL
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略で、日本語訳すると人々の将来の幸福、健康、経済的安定、安全に潜在的に影響を与えるテーマです。最新ニュースやイベント・経済・健康と安全などがYMYLに当てはまります。
人々の生活に大きな影響を及ぼすテーマを取り扱う場合、誤情報を掲載してしまうとGoogle社から大きなペナルティが課されるため、ファクトチェックをしっかりと行うようにしましょう。
不正行為
SEO対策を実施する際は、不正行為に該当していないか注意しましょう。過去に検索エンジンの精度が低い時期は、ブラックハットSEOが実施されていましたが、性能が向上したことにより定期的にアルゴリズムが改善されています。
そのため、被リンクの購入やアルゴリズムの脆弱性を突くようなSEO対策は不正行為と見做されるため、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作するようにしましょう。
SEO対策を実施するメリット
SEO対策を実施するメリットは、以下の3つです。
- 検索流入の増加
- ブランディングの向上
- 資産として残り続ける
検索流入の増加
SEO対策を実施することで、検索流入の増加が期待できます。内部・外部対策と良質なコンテンツを作成することで、Googleからの評価を高めます。
Googleから高い評価を得たコンテンツは、特定キーワードの検索順位が向上するため、自然流入(オーガニックサーチ)の数が向上が見込めます。
検索流入数が増加すれば、Webサイトへの集客が加速し、効率的にCVへ繋げることが可能です。SEO対策を実施して検索流入を増やすことで、CV数や売上向上が期待できます。
ブランド認知の向上
SEO対策を実施してWebサイト・コンテンツの検索順位を向上させることで、多くのユーザーに閲覧されるようになります。クリックされなくとも、自社ページが検索結果として表示されるだけでも、ブランドの認知が期待できます。
また、SEO対策でブランドの認知が向上すれば、キーワード検索ではなく指名検索数の向上が可能です。SEO対策でサイト自体の認知度を向上させることにより、効果的に自社(サービス)の訴求が可能になります。
例えば、CM等で一般認知を多く獲得した水道業者は、「トイレつまり 東京都」で検索され、自社サイトへ流入する流れだけでなく、「屋号名」で検索されやすくなります。「水道修理ならこの業者」とユーザーに認知されることで、より多くのCVに繋げることができます。
資産として残り続ける
SEO対策として作成した良質なコンテンツは、資産として残り続けます。作成までに時間がかかったとしても、ユーザーにとって有益な情報が豊富に盛り込まれたコンテンツは、検索上位に残り続けます。
つまり、良質なコンテンツは資産として運用できるため、アルゴリズムの変化やCMSの不具合が発生しなければ、長期的に顧客集客手段として活用が可能です。
別媒体で集客がうまくいかない場合でも、狙ったキーワードでターゲットユーザーをWebサイトから獲得できる点はメリットと言えるでしょう。
SEO対策を実施するデメリット
SEO対策を実施するデメリットは、以下の2つです。
- 施策の反映に時間がかかる
- 必ず成功するわけではない
施策の反映に時間がかかる
SEO対策は集客施策として非常に有効な手段ですが、効果反映までに時間がかかります。Webサイト上でコンテンツを公開したとしても、すぐに検索結果上位に表示されるわけではありません。
クローラーがWebサイト・コンテンツを認識し、他のサイトと比較するまでに時間がかります。どれだけ良質なコンテンツを掲載したとしても、SEO対策として効果が出るまでには、最短3か月〜半年かかると言われています。
さらに、内部・外部対策が検索エンジン側に評価されるまで時間がかかるため、すぐに施策の結果は期待できません。あくまでもSEO対策は長期的な施策として、運用するようにしましょう。
必ず成功するわけではない
SEO対策を施すことで、特定のキーワードが必ず検索上位表示に表示されるわけではありません。最適なSEO対策対策ができていない場合は、検索エンジンからの評価を得ることができず、どれだけ時間をかけても検索順位圏外になる可能性があります。
コンテンツボリュームの少ない記事やクローラリビティの低いHTMLタグ設定では、SEO対策が成功しないケースも存在します。必ず成功するSEO対策は存在しないため、継続的に複数の施策を実践し、仮設検証を繰り返すことで成功に繋げる必要があります。
自社サイトで実践、制作会社と相談してみましょう
以上、SEO対策の概要や知っておくべき考え方、実施するメリット・デメリットについて解説しました。Webサイトから集客を考えている場合は、SEO対策が欠かせません。
SEO対策を行うことで、検索流入や収益の増加が期待できます。作成した良質なコンテンツはWeb上に残り続けるため、長期的な集客として活用可能です。自社サイトで実践してみるか、制作担当者と相談してみてはいいかがでしょうか。
また、地域に密着している業者は並行してMEO対策を行うこともお勧めしています。