競合分析で一歩リードした事業展開を

2022/06/16

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どのような事業を展開していても、競争相手がいるものです。そのため、事業で成功するには、競争相手のことも意識しながら、活動を行っていく必要があるでしょう。これは水道修理事業でも同じです。

その競争相手に勝ち、自社のシェアを伸ばすために行うのが競合分析。フレームワークを使った競合分析を行うことで、他社を一歩リードした事業展開が可能になります。

今回は、そんな競合分析について詳しく解説しましょう。

競合分析とは

競合分析とは、競争相手の強みや弱みを調べ上げ、自社と比較しながら、自社が優位に立つ方策を模索することです。

そこで、競合分析という作業を行い、競合他社について情報を集め、自社との関係を見ながら自社の有利な点や不利な点を分析し、他社との差別化を図っていきます。

競合分析はなぜ必要?

競合分析は自社のマーケティング戦略を立てるために役立つ作業ですが、どのような点で必要になってくるのかを考えてみましょう。

  • 自社の強みと弱みを把握する
  • 客観的なデータに基づいて自社戦略が決定できる
  • 業界や市場のトレンドを見て、ニーズを把握する
  • 価格を見極める

競合分析では他社の情報を集めますが、自社の強みや弱みの分析も行います。他社と比べて、どこが優位でどこが不利なのか見て今後のマーケティング戦略を考えていくのです。

次に、競合分析では客観的なデータをもとに自社戦略の構築ができます。商材や業績、ターゲットユーザーなどに関して自社と他社のデータを収集し、そのデータをどのように活用したらいいかを検討するのです。

客観的なデータが集まると、業界や市場におけるトレンドもつかみやすくなります。トレンドが分かれば今後の事業展開の方向性も見えてくるでしょう。

競合他社との比較でサービスの価格をいくらにするかが見極めやすくなります。

競業分析の流れ

競合分析を行う場合、有効な方法としてフレームワークを使用します。そこにまで至る流れを見てみましょう。

目標を決める

競合分析を行う場合は、目標を明確化しておきましょう。ただ漠然と他社の情報を集めるとなると、調査範囲も広くなりすぎ、膨大な時間が取られます。

水道修理事業なら、次のような目標を定めることができます。

  • 新サービス展開
  • 現サービスの改善
  • お客様満足度向上
  • 自社ビジネスモデルの再構築
  • 管理や人員体制の改善
  • ウェブサイトの改善

分析対象の競合他社を選ぶ

次は、競合分析で取り上げる競合他社の選別です。水道修理事業者といっても、その数は大変なものになりますから、ある程度絞り込みの必要があります。そのポイントを見てみましょう。

  • 自社と類似したサービスを行っている事業者
  • その事業者の中からシェアがトップなところと低いところ
  • 直近売り上げを伸ばしている事業者
  • 自社と事業規模が同じような事業者
  • ペルソナが同じ事業者
  • サービスの価格帯が同じような事業者
  • 訴求内容に共通項がある事業者
  • 提供サービスや解決できる課題が類似している事業者

競合分析する項目を決める

続いて、競合分析する項目を決めます。分析したい項目は多岐に及ぶでしょうが、以下にまとめてみましょう。

  • 会社情報
  • 事業内容
  • 製品・サービス情報
  • キャッチコピー
  • 価格
  • 技術
  • 提供方法
  • アフターサービス
  • 従業員数
  • 営業の傾向
  • 利用している広告媒体
  • 広告内容など

ここに挙げたのは一つの例ですが、水道事業者にとって大事な要素を項目に入れるようにしてください。

ネットなどで競合他社の調査をする

競合分析における目標、分析対象、項目などが決まったら、いよいよ調査です。調査方法としてはまずインターネットを使います。インターネットでできる限り調べられる情報を洗い出しましょう。

口コミサイトなども参考にはなりますが、情報が不確かな面もあるので、信用しすぎないようにします。

インターネットによる調査だけでは十分ではありません。詳細情報については、事業者のホームページに公表されていないことも多いので、実地調査が必要になります。

しかし、競合他社の元を訪問するわけにもいきません。調査会社や覆面調査を依頼する方法もあります。

フレームワークで分析

競合分析の流れを見てみましたが、実際にフレームワークを使った分析をしてみます。

競合分析で使われるフレームワークにはいくつかの種類があり、目標を決める前や自社の強み・弱みを分析する際に役立つようになっています。競合分析後に活用できるフレームワークもあり、応用範囲も広いです。

競業分析を正しく行うために必要なフレームワーク

競合分析を正しく行うために必要なフレームワークの代表的な方法は以下の通りです。

  • 3C分析
  • 4C分析
  • 4P分析
  • SWOT分析

3C分析

3C分析では、3つのC、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)に焦点を合わせた分析をします。以下の表にまとめてみましょう。

顧客(Customer) 対象の顧客、顧客ニーズ、顧客の環境、市場規模、自社の入る余地など
競合(Competitor) 競合他社の現状、競合他社のシェア、顧客からの評価、競合他社の特徴や強み、ポジションなど
自社(Company) 自社のビジョン、シェア、ポジション、強み、顧客からの評価など

このように3C分析では、3つの異なる視点に立って多角的な情報を集め、客観的なデータをもとにマーケティング戦略を打ち立てていきます。

4C分析

4C分析の4Cとは、顧客が成約までに至る重要な役割を果たす次のCを意味します。顧客価値(Customer Value)、顧客のコスト(Cost)、顧客の利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)です。

内容を整理してみましょう。

顧客価値(Customer Value) 顧客が価値を感じる点(機能やメリットなど)、顧客の課題が解決するポイント
顧客のコスト(Cost) 顧客が支払う費用
顧客の利便性(Convenience) 顧客にとって利用しやすいサービスか
コミュニケーション(Communication) 顧客が知りたい情報が正しく伝わっているか

4C分析の特徴は、顧客側の視点に立っていること。顧客がどのようなことに注目して、サービスを選んでいくのかを分析します。

例を挙げてみましょう。顧客のコスト(Cost)は顧客が支払う費用のことですが、安く設定すればいいというものでもありません。安すぎれば、サービスの品質を疑われることもあります。

人件費や材料代、利益、市場価格など総合的に見て適正だと思われる価格に設定することが大事です。そのうえで、顧客が利用価値を感じてもらえるようにするのがポイント。

自社にとってもちょうどいい価格で、顧客も安心して利用できる価格、そんな工夫ができるように分析を進めましょう。

4P分析

4P分析では、以下のポイントに着目します。製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)です。それぞれの内容を見てみましょう。

製品(Product) 販売している製品やサービスの性能・品質・デザイン性
価格(Price) 小売価格、卸売価格、値引き、販売条件、支払い
流通(Place) 販売エリア、流通ルート、在庫、納品スピード
販促(Promotion) 広報、PR、宣伝、口コミ

4C分析が顧客側の視点に立った分析方法であったのに対し、4P分析は販売者側から見た分析です。

上記4つのポイントは、マーケティングの基礎です。この分析をしっかり行うことで、自社が抱える課題も見つけやすくなり、今後の販売戦略が立てやすくなります。

また、自社と他社の違いも明確になり、自社の強みを強くアピールすることもできるようになります。

水道修理事業者にとっても、自社サービスを拡大するためにおすすめの分析法です。

SWOT分析

SWOT分析のSWOTは、以下の4つの頭文字を合わせたものです。強み(Strengths)、弱み(Weakness)、好機(Opportunities)、脅威(Threats)。

強み(Strengths) スタッフの技術が高い
対応地域が広い
素早い修理
弱み(Weakness) 店舗が少ない
人手不足
好機(Opportunities) WEB広告で顧客増加
認知度アップ
脅威(Threats) 競合他社が多い
新規参入してくる業者がある
原材料の高騰

前半の2つで自社の内部環境を分析し、後半の2つで外部環境を見極めます。このフレームワークで、今後の事業戦略、市場機会、事業課題を見つけられるようになります。

ここでは、水道修理事業にありがちなポイントを表に記入してみましたが、このように分析をすることで、より具体的な事業展開も開けてくるでしょう。

なお、SWOT分析を行う場合は、内部環境からではなく、外部環境から行っていくのが一般的です。最初に比較対象を明確化し、そのあとで自社と競合他社の違いについて考えていきます。

競業分析でチェックする項目

フレームワークを使った競合分析方法を見てみましたが、この中で難しいのがデータの取得です。そこで、どのようにデータを取得して、どのような項目をチェックすればいいのかをまとめてみましょう。

市場・顧客分析

まず市場全体を見渡して、概況を把握するようにしましょう。市場シェア、集客構造、メディアの取り扱いなどを分析しながら、サービス別顧客もチェックします。

自社分析

次は、自社分析です。フレームワークの項目にもありましたが、自社の特徴、強み、弱みを見ていきます。

また、自社の立ち位置がリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーいずれに属するか冷静に見極めましょう。

そのうえで、戦略とリソースを分析します。

競合調査

競合調査では、競合他社を特定します。水道修理事業の場合は、同じエリアで水道修理を行っている業者はもちろん、広範囲で展開している大手業者も含めてみましょう。

続いて、競合他社の構図を確認。自社分析のところで述べた

  • リーダー
  • チャレンジャー
  • フォロワー
  • ニッチャー

のいずれになるのかを分析します。

最後に、競合他社の対象ニーズ、提供価値、マーケティングやオペレーティング戦略、リソースを見ます。水道修理でいえば、競合他社の対象の顧客と顧客の利用目的、提供している修理内容、販売戦略、スタッフの充実度などを分析してください。

トレンド把握

水道修理のトレンドというと、最近は24時間365日対応、幅広いエリアへの対応、安心の料金設定、コロナ禍に対応した清潔感、割引制度の適用などがあるでしょうか。これはほんの一例ですが、現在どのような修理形態が流行っているのか分析する必要があります。その上で、自社サービスの方向性を定めてみましょう。

ユーザーニーズ

最後にユーザーニーズの分析です。WEBサイトを見たユーザーが何を求めているのかよく考えてみます。具体的な手法として、多く検索されるキーワードを把握し、ユーザーの気持ちを推し量っていきます。

また、悪徳業者によるぼったくり被害が多発している影響で、どの事業者を選べばいいのか悩む消費者が非常に多くなっております。このようなニーズを汲み取り、訴求を行うことで他社と差別化することができます。

特にコロナ禍以降、どんなニーズが増えているか、減ったニーズは何か、増えているニーズに対してどう対応したらいいかといった点を確認できれば、今後の戦略に活かせます。

まとめ:競合分析で他社に負けない施策を

自社と他社サービスの比較をするうえで役に立つ手法が競合分析です。特にフレームワークを使いながらの競合分析では、自社の置かれた状況を正確に把握できます。

水道修理事業においても競合分析は事業成功に向けての大切な手法ですから、ぜひ実践して、他社に負けない施策を打ち立ててください。