実践!接客で取り入れる「ラポール形成」のスキル

2021/01/27

顧客対応
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ラポール形成とは?

ラポール形成の語源「ラポール(rapport)」はフランス語で「架け橋」を意味し、心理療法の世界でカウンセラーと相談者(クライアント)との間で築いた関係性の事をさします。

ビジネスの場面でも有用なスキルとして使え、特にお客様と接することが多い水道業者の皆様にとっては、獲得できれば重宝するスキルといえます。

信頼できない相手に安心して修理をお任せできるでしょうか、見積りに納得いただけるでしょうか。 口コミや評判等、気軽に個人がネット上に発信できるようになりました。そのためお客様との間にも信頼関係が必要になるのは明白なはずです。

ラポール形成を行う上で重要な3つの考え方

ラポール形成スキルを身に付けるため、まずは基本の考え方を理解しましょう。

以下では、ラポール形成に必要な3つの考え方をご紹介します。

相手を尊重する

ラポールを形成する上では、相手を尊重することが最も重要です。

尊重し、興味を示してくれる相手には、自ずと自己開示をしてくれるものです。

ラポール形成スキルを利用して「相手をコントロールしよう」と考える人も中にはいますが、そんな支配的な感情ではラポールを形成することができません。

まずは、「相手をもっと理解したい」「深い信頼関係を築きたい」という純粋な感情をもち、お客様のトラブル等を傾聴するよう努めましょう。

類似性を発見する

人は、自分と同じような人に自然と安心感や好感度をもちます。

例えば、同じ出身地や住まい、年齢、趣味など、自分と同じだった時に安心感を得られた経験がある方が多いのではないかと思います。

もし地域の水道屋さんであれば、地元トーク等ができると一気に距離が縮まりますよね。

類似性を見つける、つまり、相手との接点を見出すことで防衛本能を解除し、深いラポール形成を行うことができます。

フレームを理解する

ラポールを形成するためにはフレームに沿ったコミュニケーションが重要です。

いくら相手を尊重し、類似性を発見、打ち解けても、「ただ仲良くなっただけ」では意味がありません。

打ち解けるための「ペーシング」、目的を伝える「リーディング」を1セットで行うことが重要です。

ラポール形成の実践的な手順とポイント

ラポール形成における考え方を理解した上で、どう実際に活かしていくのか。

以下では、ラポール形成の実践的な手順とポイントを説明します。

コミュニケーションのゴール設定

まずは、コミュニケーションの目的を設定しましょう。

具体的には「トラブル対応後」を想像してみてください。

  • 何かあったらまた相談をしてもらえるよう自社を覚えていただく
  • 見積りに100%納得いただく
  • その他の水回りも点検させていただき、クロスセルにつなげる

上記のようなことが挙げられるかと思います。

1.マインドの確認

相手を尊重、類似性の発見、フレームの理解が重要事項と述べました。

ではまず相手を尊重するためには、どんな準備をすべきでしょうか。

それは、知りうる限り相手を事前に知り、推測することです。

一日に何件もの案件を抱えていたり、訪問が数日先になっている場合は忘れやすいため、 注意しましょう。

お問い合わせの内容を元に、解決すべきトラブル、人物像等を考えます。

住んでいる場所、年代、住宅種別等から類似性を見つけ出し、相手が共感できるような話題を事前に用意しておくのも効果的です。 そういった推測から「設定したゴール」とかけ離れていないか、どういう順番であれば自然か、といった点もイメージしましょう。

愛想になるのは印象がよくありません。 笑顔で対応しつつ、会話の質、量を意識しましょう。

マッチング

マッチングは、声の大きさ、トーン、話すスピードを合わせることです。

特に最初の挨拶や、お客様からトラブルの状態をヒアリングする際を意識するとよいでしょう。また、電話対応の際にも使えるスキルになります。

優秀なオペレーターは、マニュアル通りの会話手順であってもお客様から「丁寧に対応してくれて安心しました」とお褒めの言葉を頂いていました。

2.ペーシング

次にページングです。

ペーシングの代表的なスキルとして、ミラーリング、マッチング、バックトラッキングの3つが挙げられます。

ミラーリング

ミラーリングは、相手の行動、しぐさ、ボディーランゲージや表情にあわせることです。 注意すべき点は、TPOを意識することです。

無愛想なお客様に対してこちらも無

バックトラッキング

バックトラッキングは、基本的に相手の使った言葉をそのまま使用して会話を進行します。 例えば、お客様との会話時を例にしてみます。

Case.1

お客様「数日前からトイレのタンクから異音がするようになって心配で。。」

対応者「トイレのタンクから異音ですね、それは心配になりますよね。具体的にはどういった音がなりますか」

Case.2

お客様「ユニットバスタイプの浴槽・トイレなのですが、排水溝が流れなくなってしまい、お風呂に入れない状態なんです。。」

対応者「排水溝が詰まっているのですね、それは早期解決したいですね。何かつまりの原因になるようなものを流されたご記憶はございますか?」

 

上記2のケースは実際にお客様からあったお問い合わせ時の会話です。

職人としての経験が長ければ長いほど、原因や修理の方法が容易に想像でき、「修理の方法」を具体的にお話したくなると思います。

しかし、お客様が初期の段階で気にしている部分は「共感」であることを忘れてはいけません。

3.リーディング

リーディングでは、コミュニケーションのゴールに向かって、話を展開していきます。

お客様との会話から最初に設定したゴールを軌道修正する必要も出てくる可能性があります。無理な提案はかえって築いてきたラポールを壊しかねませんので、要注意です。

お客様との会話からどういった「価値観」をもっているのかを把握します。

例えば、「ロジカルな説明に要求してくる」、「経験の豊富さを重視している」、「親しみやすい人柄に安心している」等、十人十色です。

そして、その価値観と自分の提案を照らし合わせ、キーワードを盛り込みながら話しを進めていくことが重要です。

まとめ

誰しも一度はコミュニケーションで、失敗したり損をした経験があると思います。

相手を尊重し、今回紹介した実践的な手順をぜひ参考にしてください。

接客において、この3つのスキルを実践することで、お客様とより深い信頼関係を築き、売上アップやリピーター、自社サービスのファン獲得に繋げることができます。

ぜひ実践してみてください。