ユーザーは水道修理事業者選びに敏感になっています。ぼったくられたり、修理が十分にされなかったり、後でまた壊れたりなどの目に合いたくないためです。信用できる水道修理事業者を探しています。では、水道修理事業者として、自社が信用できることをアピールするためにはどうしたらいいのかというと、水道局指定工事店という称号を得ることです。ユーザーは権威性を求めているので、このような称号があると安心します。
そこで今回は、水道局指定工事店について徹底解説します。
目次
水道局指定工事店とは?
水道局指定工事店とは各地域の水道局から認定を受けている水道業者で、担当地域の水道工事を許可された業者を指します。
参照元:「水道局指定工事店とは?メリットを知って信頼できる業者を選ぼう!」より
水道法について
水道局指定工事店は、水道法により地方自治体が指定した水道修理事業者です。水道法は1957年に成立した法律で、日本国憲法第二十五条の生存権に基づき、質の良い水を低価格で提供することを目的にしています。
水道法は2018年に改正されましたが、その時に生まれたのが指定給水装置工事事業者制度。この制度により、指定給水装置工事事業者と指定されたのが水道局指定工事店です。
水道局指定工事店になるための条件
水道局指定工事店になるための条件はいろいろあります。次のような条件をすべて満たす必要があります。
- 厚生労働省が指定した給水工事に必要な工具類を持っていること
- 必要書類を提出すること
- 手数料を納めること
- 給水装置工事主任技術者が在籍していること
- 欠格事項に当てはまらないこと
欠格事項とは次のようなものです。
- 心身の状態が悪く、工事が適切にできない人
- 破産後復権してない人
- 違法業務で指定工事店の認定を取り消されてから、2年経過していない業者
- 業務で不正行為をする可能性がある人
- 法人では、上記のような人が役員に含まれる場合
上記のような事項に該当すると、水道局指定工事店にはなれません。
指定給水装置工事事業者制度について
水道局が各地域で適切な給水装置工事をできる業者を指定する制度です。指定条件は全国どこでも同様です。
その要件の中に「給水装置工事主任技術者が在籍していること」という項目があります。給水装置工事主任技術者とは、給水装置の撤去・変更・設置などができると認められた国家資格を有する人のことです。
次に給水装置とは、上水道配管から建物の屋内の蛇口までの装置のこと。ここが修理などの対象になります。
もう一点加えておくと、指定排水設備工事事業者もあります。これも水道局指定工事店で、主に排水設備や水洗化の工事を担当します。
水道局指定工事店と非指定工事店の違い
水道局指定工事店と非指定工事店では大きな違いがあります。詳しく見てみましょう。
水道局指定工事店でなければできないこと(上水道)
水道局指定工事店【指定給水装置工事事業者】でなければできない工事があります。これを非指定工事店が行うと、違法行為になり、罰則が適用されます。最悪の場合、水道局から給水を止められることもあるので、気を付けなければいけません。
では、水道局指定工事店だけができる工事がどのようなものかというと、上水道では次のようになっています。
- 給水管や止水栓の設置
- 給水管の種類変更
- 給水管の経路変更
- 水栓の増設・改造
- 給水管や水栓の撤去や改善
もしこれらの工事を非指定工事店が行うと、法律に違反するだけでなく、水質の悪化を招く恐れもあります。
水道局工事店でなければできないこと(下水道)
次に水道局指定工事店【指定排水設備工事事業者】ができることです。こちらは下水道が担当になりますが、次のようなものです。
- 排水設備の新設・増設
- 排水設備の撤去・構造変更
- 汲み取りトイレを水洗トイレに変更
下水道の様々なトラブルに対処するには、水道局指定工事店【指定排水設備工事事業者】の指定を受ける必要があります。
非指定工事店でもできること
非指定工事店でもできることはあります。上水道では、パッキンや蛇口の交換。下水道では、トイレの交換や掃除、軽度な水漏れやトイレつまりへの対応です。
非指定工事店でもできることはありますが、範囲が限られていて、十分な修理・工事までは手が回りません。
水道局指定工事店のメリット
水道局指定工事店のメリットをチェックしてみましょう。依頼する側のメリットと業者側のメリットをそれぞれ紹介します。
依頼する側のメリット
まず、水道局指定工事店に依頼する側のメリットです。
水道修理を依頼する際、水道局指定工事店の資格について理解している利用者は多くはありません。水道局に電話をしてみても「各地域のリストから電話してみてください」という返答が多く、結局のところ自分自身で業者を選ぶ必要があります。
「水道局指工事店」の登録は、水道業者を選ぶ際に水道局や地域の自治体など権威性のある場所から検索を行うユーザーのニーズを獲得することができます。
安心して依頼できる
水道局指定工事店に依頼すれば、安心して工事・修理を任せることができます。国家資格を持つスタッフも在籍していて、技術も知識も確か。必要な機器も所持していますから、工事や修理に支障も生じにくいです。また資格がない業者と比較した際に、条件が同じであれば指定店の資格をもつ業者に依頼してみようという心理になります。
幅広いトラブルに対応してくれる
水道局指定工事店ができる工事や修理の範囲は広いです。非指定工事店ではできないことがたくさんできます。水道トラブルには様々ものがあり、非指定工事店では対応しきれない、修理が行き届かないなどのケースもありますが、水道局指定工事店なら対応可能です。
適正な費用で対応してくれる
水道局指定工事店は自治体が指定しているだけに、料金の高額な請求や不正請求をすることは通常ありません。適正な費用で対応してくれます。(悪徳業者は除名されます)
万が一、料金の支払いでトラブルが発生したとしても、自治体に相談すれば、対応してくれます。
業者側のメリット
今度は、水道局指定工事店に指定される業者側のメリットです。
ユーザーに安心感を与えられる
水道局指定工事店になれば、依頼するユーザーに安心感を与えられます。指定されているというだけで、適切な工事をしてくれる、不正請求はしないとユーザーも思い、信頼を得られます。
訴求ポイントになる
水道局指定工事店になることが訴求ポイントにもなります。非指定工事店ではアピールできる材料も少なくなりますが、指定工事店ならユーザーに強く訴えかけることができるでしょう。「こんなこともやりますよ」などと、工事や修理の範囲の広さをアピールすれば、ユーザーを誘引する材料にもなります。
売り上げ増加につながる
ユーザーは信用できる水道修理事業者を探しています。その基準になるのが水道局指定工事店かどうか。
最近は、ネットで水道修理事業者選びの情報も得られますから、水道局指定工事店かどうかもチェックされる項目です。
そうなると、当然指定業者のほうにユーザーも集まりやすいです。それが売り上げ増加という形に繋がります。
ユーザーは権威性を求めている
どんな人でもそうですが、権威に惹かれるものです。ユーザーは権威性を求めています。水道修理事業者選びでも、権威性がものをいう場合があります。この点について掘り下げてみましょう。
人間の脳は権威を尊重しやすい
人間の脳は権威を尊重しやすいです。私たちの認識や行動パターンにおいても、権威性が大きく影響します。
例)
- 白衣を着た医師
- 制服を着た警官
- 一流大学の教授
- 賞を受賞した商品やサービス
商品やサービス選びに検討したことがあるのではないでしょうか?
権威を判断材料にして商品やサービスの購入を決めることは意識的にも無意識でもよくあります。
水道修理事業者にとっての権威は水道局指定工事店
水道修理事業者にとって権威とは、水道局指定工事店の称号です。これがあるとなしでは、ユーザーの反応も異なります。
権威性を重視する人間の性質を考えると、水道局指定工事店の指定を受ける価値があります。
権威性の法則の活用方法
権威性が大事になってくる人間社会では、どのように権威性の法則を活用するかがポイントになってきます。以下でそのポイントを解説しましょう。
肩書を加える
まずは、肩書が大事です。
資格や実績が全くない業者は、そもそも実在しているかどうかも怪しい印象を与えます。そこで名刺に「水道局指定工事店」との肩書があるかどうかで、顧客獲得に繋がる可能性があります。
紹介されたメディアのロゴを追加する
TV・ブログ・ネットメディアなど、自社の商品やサービスを紹介してくれたメディアのロゴやリンクを公式サイトに追加すると信頼性が高まります。より権威性の高い形で紹介されていると、信頼性が高いと感じます。また、過度な訴求は逆にユーザーに怪しまれますので、あくまでも自然に行うのが肝心です。
服装に気を配る
水道修理事業者に限りませんが、仕事を行う上で服装は顧客から最も注目されるポイント。職業にふさわしい服装を身に着けることで、顧客も権威性を感じるものです。訪問販売型のサービスでは身だしなみが悪いというだけで原点対象です。身だしなみを徹底しましょう。最近では新型コロナウイルスへの取組も重要視されています。
タレントや権威者の口コミ・評価を加える
公式サイトによく掲載されている口コミ。ユーザーも口コミ情報を参考にすることが多いですが、ここにタレントや権威者の口コミ・評価を載せると、アピール度が強くなります。タレントや権威者の権威性は抜群です。それを見て、「ここに依頼しようかな」と思う人も出てきます。
水道局指定業者になって、顧客にアピールしよう
水道修理事業を展開する中にあって、どのように顧客を集めるのかが大きな課題になります。その方法はいろいろありますが、水道局指定工事店として認められることも一つの要素です。
水道局指定工事店になった業者はアピールポイントとしても利用できるうえ、顧客の信頼も得やすいです。水道修理事業を行っている事業者や経営者、個人事業主は、ぜひとも水道局指定工事店になることを目指してください。