顧客管理はビジネスを展開する上で欠かせないものです。適切な顧客管理ができて、初めてビジネスが成功するといっても過言ではありません。
そこで今回は、顧客管理の意味、重要性から行う方法まで詳しく解説。特に水道事業者に役立つ情報を提供します。ぜひ参考にしてください。
顧客管理とは?
顧客管理の基本的な意味は、お客さまに関する情報を記録して管理すること。名前や連絡先などの情報から取引履歴、マーケティング活動への反応、サポート状況などを含めた管理のことを言います。
顧客管理が適切に行われることで、適切なサービスを提供できるようになり、顧客の満足度もアップします。
顧客管理の重要性について
顧客管理は現代のビジネスにおいて非常に重要になっていますが、なぜ重要なのか理由を考えてみましょう。
既存顧客の維持が大切になっている
新規顧客の獲得は以前よりも難しくなり、コストもかかるようになってきました。その理由として挙げられるのが人口の減少、少子化、情報の氾濫などです。
現代の日本では、若者の数が減りつつあり、購買人口もそれにつれて減少気味。さらに、インターネットの普及で、だれもが自由に商品やサービスの比較・選択ができるようになり、好きな業者を選べるようになりました。
そのため、新規顧客を獲得するのがより難しくなりました。
そこで重要になってくるのが既存顧客との関係です。これまでにわずかでも縁があったお客様の情報を活用しながら、新たな営業活動につなげていく必要が出てきました。そこで顧客管理が必要になります。
水道修理事業においても、新規顧客獲得を狙うとともにこれまでのお客様をリピートさせるのが重要ポイントです。それには適切な顧客管理が欠かせません。
顧客も適切な顧客管理を希望している
顧客の側でも、自分たちの情報が企業内で適切に管理されることを求めています。それを示すような調査結果もあります。2019年4月にセールスフォース・ドットコムが行った調査による数字です。
その調査の対象は、全世界8,000人以上の消費者とビジネスバイヤーです。回答者のうち78%の人が「担当者1人に問題を伝えれば、他の担当者にも共有され、担当部署をまたいでも問題解決がされるようになってほしい」と答えています。
つまり、企業内で顧客情報が部署をまたいで共有され、どの担当者も対応できるようにしてほしいということです。
また、2018年3月~4月に行われた全世界6,700人を対象にした調査では、79%の人が「適切な対応が得られるのなら、自分自身の関連情報を共有してもいい」と答えています。
このように顧客自身も正しい顧客管理が行われ、それに応じたサービスが提供されることを求めているのです。
経営に役立つ情報が得られる
顧客情報は、経営戦略を考えるうえでも役に立ちます。管理された顧客データから次のような情報を抽出できます。
- 1.過去行ったマーケティング戦略で有効だったものはどれか?
- 2.成約率が高い顧客の特徴は?
- 3.リピート率が高い顧客は?
- 4.顧客が離脱する原因は何か?
これらのデータを深く分析することで、自社の強みと弱みを把握できるようになり、今後の経営方針を定める助けになります。
水道修理事業においても、今後の戦略を考えるうえで、顧客情報が非常に重要になるため、詳しいデータの管理が必要です。
顧客管理を行う方法
ここからは、顧客管理を行う具体的な方法を紹介します。いくつかの方法がありますが、それぞれのメリット・デメリットも見てみましょう。
- エクセル管理
- スプレッドシート
- CRM
- SFA
- MA
エクセル管理
エクセルはパソコンを使っている人なら多くが導入しているソフトです。利用もしやすく、使い方も簡単です。そのエクセルを使って顧客管理ができますが、メリット・デメリットを考えてみましょう。
メリット
エクセルのメリットは手軽なことです。顧客の名簿管理、年賀状や案内の送付、付帯情報の関係者間での共有くらいなら簡単にできます。
エクセルデータをWebデータベース化すると、さらに便利になります。
デメリット
エクセルによる顧客管理には問題点もあります。まず複数人による同時ファイル編集ができません。個人事業主が1人で経営している水道事業ならそれでもいいでしょうが、少しでも規模が大きくなると困る点です。
ファイルの増加で管理がしにくくなるのも弱点。保存場所の在り方によっては、ファイルを見つけにくくなります。セキュリティ対策もしっかりしないと、情報漏洩の恐れもあります。
このほかにもエクセルによる顧客管理にはデメリットがあり、あまりおすすめできる方法ではありません。従業員が多い水道事業者の場合は、別の方法を利用したほうがいいでしょう。
スプレッドシート
Googleスプレッドシートでも顧客管理ができますが、そのメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
Googleスプレッドシートは無料で利用ができます。関数はエクセルと同様で追加で使用できる独自のものもあります。また拡張機能も豊富でGoogleアナリティクスやフォームなどとの連携が非常に便利です。そのためどの水道修理事業者にとっても利用がしやすいです。
エクセルよりも情報共有もしやすいので、だれのパソコンからでも編集ができます。カスタマイズにも自由度があり、自社に合った業務効率化も可能です。
デメリット
Googleスプレッドシートは顧客管理用のサービスではありません。そのため最初に顧客管理のためのシートを作成する手間がかかります。運用方法も自分たちで決めなければいけません。
使いながら運用方法の改善もし、顧客情報の変化に合わせていかなければいけません。
また、他社システムとの連携では、プログラミングの知識が必要になることも多く、社内にそのような人材を用意しておくことがポイントになります。
顧客管理システム(CRM)がおすすめ
顧客管理というと、最近はCRMというシステムに注目が集まっています。エクセルやGoogleスプレッドシートに比べて、顧客管理に特化したシステムだけに利用価値も高く、おすすめ度も高いです。その理由を見てみましょう。
メリット
CRMでは顧客の基本情報はもちろん、購入や利用履歴、セミナーや展示会の参加履歴、営業訪問履歴、クレームや意見の履歴など、企業と顧客との関係まで詳しく記録できます。
そして、その顧客情報は部署やチームの壁に阻まれることなく集約できます。情報が分散して管理しきれないということはありません。まとめての管理が可能です。全国規模の水道修理事業者でも、情報管理がしやすく、扱いやすくなっています。
社内での共有がしやすいのもCRM。どの情報もどの部署からでも同じようにアクセスでき、編集も可能となります。従業員誰もが顧客情報を活かして、営業活動につなげられるのです。
担当者が退職する、変わるなどの場合も、進捗状況の把握に支障は生じません。地域で担当していた営業マンが交代になっても、引継ぎがスムーズです。
データを集積・分析する機能が搭載されているものもあり、次の戦略作りに活用できます。
デメリット
CRMのデメリットとしては、まずGoogleスプレッドシートと違い、導入・運用にコストがかかります。無料版もありますが、サポート体制の充実度、すべての機能が利用可能なこと、強力なセキュリティ環境など、有料版のほうがおすすめ度が高いです。
CRMの利用でかかる費用は、従業員規模によっても異なります。全国規模の業者と地域に密着している業者では管理する情報の量が異なるため、コストが変わってきます。
しかし、多少のコストがかかっても確実に顧客情報を管理して、顧客との接点を維持し続けるためには、CRMの利用がおすすめです。
また、効果が現れるまでに少し時間がかかります。顧客との関係性はすぐに改善されるものではありません。そのためCRM導入後も気長に構える必要があります。
CRM習得のためには教育も必要です。CRMの製品によって使い勝手は異なりますが、使いやすい製品でも、習得に少し時間が掛かるものです。
まずは導入部署で何人かが試したのちに、従業員全体に使い方を覚えさせなければいけません。そのための手間もかかるでしょう。
CRMでできること
CRMでできることは様々あります。顧客情報の管理自体も詳細にできますが、そのほかに分析、会員情報の一元管理、メール配信なども行えます。
また、問い合わせ管理、アンケート作成・集計・分析、セミナーやイベントのフォームの作成、リストの作成なども可能で、機能が豊富です。
CRM活用のポイント
まず、利用目的を明確化する必要があります。なぜCRMを導入するのか、どのような課題を解決したいのかがはっきりしていないと、効果が上がりにくくなります。
次に担当者を決めておきましょう。1人ではなく複数人必要です。1人では、属人化や共有次項が伝達できないなどのケースもあるためです。
最初は導入範囲を広げすぎないこともポイント。全国規模の水道事業者だからといって、全国すべてに導入してしまうと、トラブルが生じたときに対処に困り、皆が使い方に慣れるまでが大変です。狭い部署から導入してみましょう。
CRMは使いながらカスタマイズして、業務効率化に結び付けるものです。いきなり本格運用すると、最適化されていない状態での使用になる恐れがあるので、試用期間を設けてください。
SFA
SFAは企業の営業活動を支援するツールです。営業部門における情報や業務をデータ化し、蓄積・管理できるようにします。このSFAを利用した顧客管理の特徴を見てみましょう。
メリット
SFAでは、案件ごと商談ごとの顧客情報管理が可能です。担当者や役職、商談履歴、名刺などの情報を営業活動に活用しやすいように可視化してくれます。案件ごとの進捗状況などもチェックできます。
蓄積した情報の属人化も防げるのがSFAです。
SFAを利用すれば、業務の効率化に大きく寄与します。
デメリット
SFAのデメリットは、CRMと共通する部分もありますが、運用コストがかかります。また、案件ごと商談ごとの情報管理になるので、情報量が少ないとあまり効果は実感できません。
MA
MAとは、マーケティングに関する業務を自動化するシステムです。MAの主な役割は見込み客に対してアプローチすること。CRMとは少し違うようですが、特徴を見てみましょう。
メリット
MAで顧客管理するメリットは、見込み客の段階から情報を一元管理できることです。見込み客からの連絡を受ける機能が搭載されたものもあります。
見込み客の育成や選別もできます。
デメリット
MAの導入や運用にもコストがかかります。また、MAだけでは営業活動の効率化が図りにくい場合もあり、CRMとの連携が必要になることもあります。特に、見込み客が既存客になった場合は、CRMの必要性が高まるでしょう。
適切な顧客管理で売り上げを伸ばそう
顧客管理は現代の企業にとって欠かせない業務です。大切なお客様の情報を適切に管理することで、お互いの関係も良くなり、信用も得られます。それが、売り上げ増につながることになるでしょう。今回したツールについても、会社規模や従業員規模で適切なものを取り入れると良いでしょう。普段の営業活動の中で可視化し改善することで売上の増加、子kyカウ満足度の向上に繋がります。