Google検索品質評価ガイドライン、YMYLとは

2022/08/09

SEO(検索エンジン最適化)
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サイトやコンテンツを作成する上でYMYLについて曖昧な方も多いのではないでしょうか。YMYLジャンルは、正しく理解しコンテンツを作成しなくては検索エンジンからいい評価を得られません。

しかし、YMYLジャンルは難易度の高さから競合が少なく検索上位表示が期待できるジャンルの一つと言えます。

本記事では「YMYLとは?」「どんなジャンルがYMYLに該当して、どんな対策が必要なの?」という疑問を解説しています。

YMYLとは?Googleによる検索品質評価基準の一つ

YMYLとは「Your Money or Your Life」の略語で、Google検索品質評価ガイドラインが示す分野の一つです。

要約すると「将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に影響を与える可能性のあるページ、トピック」となります。

ネットに掲載された情報は、読んだユーザーに少なからず影響を与えます。

間違った情報を見たユーザーが実践してしまい、健康や生活に危険が伴わないよう、Googleはコンテンツを管理し品質を保っています。

参考:Google General Guidelines(Google検索品質評価ガイドライン)

YMYLに該当する7つのジャンルと非該当

YMYLはユーザーの生活に直結する情報のコンテンツやトピックが対象です。
YMYLページに該当する7つのジャンルは以下の通りです。

  • ニュースや時事イベント
  • 市民社会・政治・法律
  • 財産・金融
  • ショッピング
  • 健康と安全
  • 方々のグループ
  • その他

1.ニュースや現在のイベント

「国際的なイベントやビジネス、政治、科学、技術など重要なトピックに関するニュース」が該当します。ただしエンタメやスポーツなどのニュースはYMYLに該当しません。

【該当例】

  1. 〇〇国と××国が△△について会談
  2. 20〇〇年オリンピック開催地
  3. 世界的半導体不足の原因は〇〇

など

2.市民社会・政治・法律

「投票や政府機関、公共施設、公共サービス、法的な問題、市民生活の維持に重要な情報」が該当します。

【該当例】

  • 〇〇党が××憲法の改定を検討
  • JR〇〇路線廃止
  • コロナ給付金について

など

3.財産・金融

「投資や税金、老後資金、ローン、銀行取引、保険に関する財産アドバイスや情報、オンラインで送金、購入を許可する特定のウェブページ」が該当します。

【該当例】

  • 老後資金は〇〇万円必要
  • 事業者に必要な税金対策
  • 労働者災害補償保険について

など

4.ショッピング

「研究やグッズ/サービスの購入に関する情報や、オンラインで購入する事を目的とした特定のウェブページ」は高額な商品であれば生活に影響を与えるためYMYLに該当します。

【該当例】

  • アイドルグループのグッズを購入する方法
  • 商品口コミまとめ
  • オンラインで買った方がいい〇〇

など

5.健康と安全

「医療の問題、薬物、病院、緊急事態への備え、危険な行為などに関する情報やアドバイス」は命や健康に直結する可能性があるため、YMYLに該当します。

【該当例】

  • 災害時の備えに必要なものと対処法
  • よく効く市販の風邪薬
  • 〇〇がんとは?

など

6.方々のグループと個

「方種や民族起源、宗教、障害、年齢、国籍、退役軍人、セクシャルオリエンテーション、性別、ジェンダーアイデンティティを含む、但しこれらに限定されない方々のグループに関する主張や情報」が該当します。

【該当例】

  • 〇〇族の特徴とは?
  • LGBTについて
  • 冠婚葬祭の正しいマナー

など

7.その他

生活を変える決定や重要な情報に関するトピックがYMYLとみなされます。

【該当例】

  • ダイエットや筋トレフィットネスと栄養
  • 就職活動に関する情報
  • 不動産情報
  • 1人暮らしにおすすめのペット
  • 起業する方法

など

非該当

Googleを利用するユーザーが不幸や不安全に繋がらない情報であれば、YMYLに該当しないと考えられます。

【非該当例】

  • 少額な商品の紹介(百円均一商品など)
  • 自身を紹介するページや、テレビ番組の感想・考察
  • パンの作り方

など

【背景】ユーザーのためYMYLが評価基準に追加された

YMYLはユーザーが不確定で信用できない情報で、不利益や不安全にならないよう2017年のアップデートでGoogle品質評価基準に追加されました。

YMYLが追加される前は、収益を目的として医療や金融の不確定情報を掲載していたサイトが数多くあり、SNSやネットで大きな問題となったのがきっかけだと言われています。

YMYLがガイドラインに追加されると、不確定な情報を発信していたサイトは検索順位の下落や配信停止などの影響を受けています。

ユーザーを第一としたGoogleの理念を体現したYMYLを正しく理解し、ユーザーファーストのコンテンツ作成がYMYLジャンルにおける1番のSEO対策と言えるでしょう。

GoogleアップデートとYMYLジャンルの影響

YMYLジャンルの記事やサイトは、Googleアップデートのタイミングで検索順位が大きく変わるなどの影響があります。

Googleはアップデートにテーマを持っており、これまでどのようなアップデートがなされたのかYMYLがガイドラインに追加された2017年から紹介します。

インターステイシャルアップデート(2017年)

広告の表示方法を規制するために実施されました。
これにより広告によってユーザーの利便性が損なわれないよう改善されています。

フレッドアップデート(2017年)

コンテンツの品質の見直しを実施しされました。収益を目的とした広告が中心のサイトはユーザーのニーズに沿ってないと判断され検索順位を落としています。

YMYLに大きく関わるアップデートの一つと言えるでしょう。

アウルアップデート(2017年)

情報の信憑性を高めるために実施されました。正確ではない情報を使用しているサイトは除外され正確な情報元を掲示しているサイトは検索順位をあげています。

健康アップデート(2017年)

健康や安全に関する情報を扱うWebサイトを規制するために実施されました。根拠のない医学や健康の情報を発信するサイトを除外し、医療従事者など専門知識を発信するサイトが評価されるように改善されています。

YMYLのジャンル「健康と安全」が反映されたアップデートと言えるでしょう。

モバイルファーストインデックス(2018年)

コンテンツをよりモバイル端末へ最適化するために実施されました。
スマートフォンの普及により、モバイル端末の表示を改善しユーザーの利便性を高めています。

スピードアップデート(2018年)

モバイル端末での表示速度を上げるために実施されました。
表示速度が遅く、ユーザーが情報を快適に得られるよう改善されています。

Googleが提供している「Google PageSpeed Insights」でサイトの表示スピードをスコアとして表してくれます。

BERTアップデート(2019年)

自然言語処理の性能を向上させるために実施されました。

言語や文脈を検索エンジンが理解し、キーワードがわからない方でも求める情報を表示できるよう改善しています。また、音声検索の利便性も向上しました。

このアップデートによって、不適切な文章や間違った日本語を使っているコンテンツの評価が下がっています。

コアアルゴリズムアップデート(2018年~)

Googleが定期的に実施するアップデートです。これにより、様々なジャンルのコンテンツが検索順位の変動を受けています。

しかし、Googleはコンテンツの品質を高めるためと公言しているため、高品質のサイトを作成していくことが1番のSEO対策となるのではないでしょうか。

YMYLジャンルの信頼性を高めるE-A-Tの概念

上記でもあるように、YMYLジャンルは人々の生活に大きな影響を与えかねないため情報の正確性を示す根拠が重要視されています。
Googleが示すガイドラインの中で、YMYLと強く関連しているのが「E-A-T」と呼ばれる評価基準です。

E-A-Tとは?

E-A-Tとは以下の3つの頭文字をとった総称です。

  • Expertise:専門性
  • Authority:権威性
  • Trustworthiness:信頼性

E-A-Tは発信されている情報が正確で、ユーザーに悪影響を与えないか評価する基準の一つです。

例えば、水道修理について解説したコンテンツがあった場合、水道修理を長く営んできた方のコンテンツと、水道修理についての知識や経験が不明な方のコンテンツがあるとしましょう。

この2つのコンテンツをみたユーザーはどちらの情報を信用し、満足した情報を得られるでしょうか。当然水道修理を営んでいる方のコンテンツを信頼するでしょう。

このようにE-A-Tはユーザーの信用や信憑性に直結するコンテンツを評価し、検索上位に表示させていると考えられます。

Expertise:専門性

発信する情報について専門知識を有している、または専門知識がある方が監修したサイトが評価されます。経歴・資格などが専門性を証明すると考えられるため、サイトに設置してある会社概要なども評価対象です。

もし、専門家に監修をしてほしい場合は、クラウドソーシングやSNSで連絡をとってみるといいでしょう。その際には誰が監修したのか明記し、コンテンツの専門性を主張してください。

  • コンテンツの専門性
  • 会社の経歴や保有資格なども評価対象
  • 監修者の情報明記

Authority:権威性

運営者・サイト自体が権威性を持っていて、頻繁に参照や引用されると評価が上がります。例としては被リンクが該当し、影響力のある企業サイトから引用や参照されれば権威性があるとみなされます。

大型サイトに自社のサイトを掲載するだけでも一種の権威性を表せるとして、個方運営のブログは多数のブログサイトに登録しているようです。

  • 運営者やサイト自体の権威性
  • 引用や参照などにより評価が上がる

Trustworthiness:信頼性

サイトが責任を持って正確な情報を発信しているかが評価基準です。サイトを運営している個人・会社が自らを公表し、連絡先を掲示することでコンテンツに責任を持っていると判断されます。

また、コンテンツの情報が信頼できるソースなのかによって信頼性を失う可能性もあります。

ネット上で情報を集めるならば、国が運営しているサイト(経済産業省、農林水産省、環境省など)から収集し、引用や参考にしたページを明記してください。専門的知識を有した方の書籍も信頼に繋がるソースとなるでしょう。

  • コンテンツ情報の信頼できるソースを掲示
  • 運営者の責任能力の主張

Google検索順位への影響とSEO対策

E-A-Tを意識したYMYLジャンルのコンテンツを作成しなければ、Google検索順位に望んだ結果がでないでしょう。
YMYLジャンルにおいて、以下の3つがSEO対策になると考えられます。

  • 不適切な情報や手法を使わない
  • サイト全体の情報を統一し品質を高める
  • 信頼できる最新情報に更新する

不適切な情報や手法を使わない

SEO対策の裏技として、ユーザーにわからないよう検索エンジンに向けてリンクを埋め込むなどの手法があります。このような手法はGoogleのアップデートによって、ユーザーファーストではない品質の低いコンテンツと評価されるようになり、適切な手法とは言えません。

また、E-A-Tの観点から、根拠のないソースを使用したコンテンツも専門性や信頼性を欠いていると評価されてしまいます。

ユーザーを第一としたGoogleの理念に背かないよう、正確な情報を使い信頼できるコンテンツを作成しましょう。

コンテンツSEOについて詳しくまとめた以下の記事を参考にしてください。

SEOコンテンツ施策とは?

サイト全体の情報を統一し品質を高める

YMYLジャンルは、サイト内が一つの分野で統一されている形が理想とされています。

分野が統一されていれば一つの分野において専門性と権威性が向上しやすいと考えられます。また、内部リンクをつけやすく、更なるSEO対策が期待できるでしょう。

様々な分野が混在しないよう、サイトを設計してコンテンツを作成しましょう。

有効な内部リンク対策について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

SEO内部対策とは?

信頼できる最新情報に更新する

情報は常に変動するため、過去に作成したコンテンツが何年も検索上位に留まるとは限りません。また、今までの情報が間違っていた場合サイト全体の評価が下がる可能性もあります。

過去に作成したコンテンツを管理し、常に最新かつ信頼性のある情報に更新しましょう。

YMYLジャンルは正しく信頼できる情報をユーザーに発信しよう

YMYLに該当するジャンルのコンテンツは、ユーザーの幸福感や健康を損ねかねないジャンルです。そのためサイト運営者は、正確かつ信頼できる情報を発信する責任があります。

Googleはユーザーファーストを理念の一つとしていますから、コンテンツ作成はユーザーのためを重視するようにしましょう。

自らに専門性や権威性がないのではと感じられましたら、それらを有する方に監修してもらうなどの対策を実施してみてはいかがでしょうか?