企業のビジネスを効率的に進める際や成長させるためには、組織のマネジメントが必要不可欠です。
しかし、何から始めるべきか、どういったことに注意すべきか、現在の自社リソースだけで可能なのか、といった疑問が出てくるのではないでしょうか。
そこで本記事では、組織マネジメントの概要やメリット、実現するにあたって必要な能力や指標を解説していきます。
目次
組織マネジメントとは
組織マネジメントとは、組織として活動していく上で重要な部分を定め、どのように活用・行動することで最適な運営できるかをマネジメントすることを指します。
ただし、組織マネジメントは自身の立場や自社の社員数によって、対応方法が異なります。
自身が管理職であれば、部下を目標に向けて束ね、マネジメントしていくスキルが求められるでしょう。
また、自分自身が一般社員の場合は、社員の中での協調性を出しながら上司や組織が定めた目標に向かって行動する必要があります。
ですが、組織マネジメントを行っていく上では50人の壁が存在すると言われています。
社員の数が50人を迎えるときに、今まではうまく回っていた組織の構図に変化が生じ、組織マネジメントに失敗してしまう可能性が高いです。
社員数が50人を超えてくると、明確な上下関係が現れ始め、管理者と一般社員との間での価値観の違い・熱量の違いが現れ始めます。
そのため、組織マネジメントを行う上では50人が一つの壁として言われているのです。
50人の壁を乗り越え、組織マネジメントができれば、社員数が100名、200名を超えても、スムーズにビジネスを続けていくことができるでしょう。
組織マネジメントを進める3つのメリット
組織マネジメントを進めることで得られるメリットは、大きく分けて以下の3つです。
- マネジメント力の向上
- スタッフの属人化を防ぐ
- 組織の多様化
それでは順番に紹介します。
メリット1:マネジメント力の向上
組織マネジメントを進めることで、社員のマネジメント力の向上が期待できます。
コミュニケーション能力や営業スキルがある社員でも、マネジメント力を必ず持っているわけではありません。
しかし、企業にとって貢献度の高い社員は、必然的に組織の深い部分に組み込んでいく必要がります。
研修やセミナーを定期的に行い、組織マネジメントを社内で広めることによって、社員のマネジメント力の向上が期待できるでしょう。
また、組織マネジメントを進めることで、社員一人ひとりに責任感が生まれ、向上心が高まります。
向上心の高い社員が増えることで、大きな利益を生む企業への成長につながるでしょう。
メリット2:スタッフの属人化を防ぐ
組織マネジメントを進めることで、スタッフの属人化を防ぐことにもつながります。
優秀な人材ほど組織にとって重要な存在となり、決まった人にしか仕事を割り振らなくなりがちです。
スタッフの属人化が進んでしまうと、スタッフが急に休みを取った際や退職した場合、引き継ぎ作業に追われてしまいます。
また、管理者の負担が高まってしまうと、上手くコミュニケーションが取れず、モチベーションを下げてしまうでしょう。
しかし、組織マネジメントを進めることで、スタッフの立ち位置に応じて均等に仕事を割り振ることが可能であり、管理者は部下とのコミュニケーションが進み、スタッフ全体のモチベーションを向上できます。
そのため、組織マネジメントで不公平な仕事割り振りをなくし、効率的に業務を進められるでしょう。
メリット3:組織の多様化
社内に所属するスタッフの数が増えれば増えるほど、社員・契約社員・アルバイト・多国籍など、勤務形態・人材が異なります。
組織マネジメントを積極的に推進することで、組織の多様化が進み、スタッフに適した価値観や業務方針を割り振れるでしょう。
例えば、社員と契約社員の対応業務を明確に分けるなど、それぞれに最適な業務を振り分ける必要があります。
さまざまな勤務形態や人材に対応して、組織マネジメントが進めば、自ずと組織は多様化していきます。
組織マネジメントを行うために必要な5つの能力・指標
組織マネジメントを行うために必要な能力や指標は、大きく分けて以下の5つです。
- 目標設定・管理能力
- 計画力
- 人材マネジメント力
- コミュニケーション力
- 危機回避力
それでは順番に紹介します。
目標設定・管理能力
組織マネジメントを行う上では、自社の目的達成に必要な明確な目標を設定し、達成するまでの計画や施策を立案する管理能力が必要です。
例えば、高すぎる目標やすぐに達成できる目標を設定してしまうと、社員のモチベーションが低下につながる可能性があります。
しかし、企業が最大限パフォーマンスを発揮することで達成できる目標を設定することで、モチベーションを保ち、最大限の利益を生み出せます。
また、適切な目標を設定した後は、達成するために最適な計画や施策を考案することで、目標達成までに現実味をスタッフに与えます。
計画力
計画力とは、定めた目標や管理施策を達成するために必要な、時間や人的リソース・工程の割り出す力です。
どれだけ適切に目標や管理施策を立案したとしても、達成までのスケジュール感や必要な人的リソースを把握できていなければ、成功しません。
また、問題発生も加味して余裕をもってスケジュールを立てることで、慌てることなくスムーズに対処できます。
そのため、組織マネジメントを進めるためには、計画力が必要です。
人材マネジメント力
人材マネジメント力とは、管理者に必要な組織マネジメント能力です。
円滑に計画した業務をこなしていくためには、自身の部下に対して価値観を考えた上で適切な仕事を割り振り、スケジュールを組み立てていく必要があります。
人材によって得意不得意があるため、目標設定の段階でスタッフの価値観や適性の把握が求められます。
また、人材マネジメント力はスタッフに適切な業務を配分するだけが重要ではありません。管理者自身が前に立ち、業務を進めていきスタッフのモチベーションを向上させることも重要になります。
人材マネジメント力を高めることで、部下のやる気を上げ、計画通りに目標達成につなげることが可能です。
コミュニケーション力
コミュニケーション力とは、スタッフ同士の信頼関係や現場状況の俯瞰的な判断を指します。
日々業務をこなしていく中では、スタッフ同士で強い信頼関係を築くことで、円滑に業務を進めていくことができます。
また、一般社員でも管理者や経営陣と話し合う際は、私情を省いた俯瞰的なコミュニケーションが求められるでしょう。
組織マネジメントを行っていく上で、コミュニケーション力は非常に重要であり、高めていくことで、スムーズな計画進行と良好な職場環境を作り上げることが可能です。
リスクヘッジ(危機回避能力)
リスクヘッジ(危機回避能力)とは、起こりうるリスク(危機)の程度を予測して、リスクに対応できる体制を取って備えることです。
計画を立て進行していくと様々な問題点や課題が浮き彫りになりますが、先に予測して対応できる体制を整えておくことで円滑に業務を進められます。
問題が複数回出てくる計画では、一般社員から不安の声が上がり、モチベーション低下が懸念されるため、危機回避力が必要です。
組織マネジメントを行っていく上で、スタッフの士気を下げないためにもリスクヘッジは重要といえるでしょう。
まとめ
以上、組織マネジメントの概要やメリット、必要な能力や指標を解説していきました。
組織マネジメントが思うように進んでいない、50人を超えた企業は、定めた目標をうまく達成することができず、ビジネスの成長を阻んでしまう可能性があります。
しかし、うまく組織マネジメントを行うことで、スムーズに業務を進行し、良好な職場環境の構築が可能でしょう。