一般社団法人日本トイレ協会のユニークな取り組みを紹介!

2021/06/21

ビジネス
Twitter YouTube
Twitter YouTube

一般社団法人日本トイレ協会をご存知でしょうか。

トイレに関して目を引く取り組みを多数を行なっている団体です。

今回は、そんな一般社団法人日本トイレ協会の取り組みをいくつかご紹介させていただきます。

一般社団法人日本トイレ協会って?

「一般社団法人日本トイレ協会」は、トイレ文化の創出と快適なトイレ環境の創造、トイレに関する社会的課題の改善に寄与することを目的とした団体です。

トイレを通した、研究者、建築家、景観デザイナー、ユニバーサルデザイン関係者、省庁や自治体等の職員、機器メーカー、公共交通職員、仮設トイレメーカー、メンテナンス、学生、一般市民など、様々な立場の方々の集まりとなっています。

一生の間にほぼ20万回も使うといわれているトイレ。トイレは大切な施設であり空間です。

そんなトイレの根本の見直しや、トイレ文化の海外への発信などを行なっています。

後述するグッドトイレ選奨の実施や協会ニュースの発行などを通し、トイレの大切さを広め、トイレに関する文化の向上と快適なトイレ環境作りを目指しています。

また11(イイ) 月 10(トイレ) 日から、毎年11月10日を「トイレの日」と定め、全国各地の自治体と共催で「全国トイレシンポジウム」を開催しています。

一般社団法人日本トイレ協会のユニークな取り組み

続けて、一般社団法人日本トイレ協会のユニークな取り組みをご紹介します。

  • トイレに関する情報の提供や講演会の開催、研究会の設置
  • 定期的な広報誌の作成
  • グッドトイレ選奨の実施

以上の3つを順にご紹介します。

トイレに関する情報の提供や講演会の開催、研究会の設置

一般社団法人日本トイレ協会では、「メンテナンス研究会」「ノーマライゼーション研究会」「トイレ文化研究会」「災害・仮設トイレ研究会」という4つの専門研究会を設置しており、トイレについての研究や議論がなされています。

また、後述する広報誌を通してトイレに関する情報発信や研究会の報告なども行なっています。

単なる情報発信だけでなく、トイレの問題提起を行うことで人々の生活に必要なトイレをより身近なものとするための働きです。

定期的な広報誌の作成

一般社団法人日本トイレ協会についての発信や、トイレの現状、トイレ文化の発信を行うため、定期的に広報誌を作成し、日本トイレ協会の会員に向けて公開しています。

広報誌という形ではなくとも、定期的に発信していくことは理解を得るために重要な手法です。

会社を知ってほしい、業務を知ってほしいと思っている方はまずは定期的に発信するという点を真似してみてはいかがでしょうか。

また、トイレに携わる方として、ぜひ一度広報誌に目を通してみてください。トイレに携わる様々な方の取り組みや、トイレの現状や課題、解決策を学ぶことができ、とても参考になります。

どんなトイレが今求められているのか、他社の事例なども取り上げられており、読み応えがあります。

例えば、「ジェンダーに関わらず誰もが利用しやすいトイレ環境について」では、ジェンダー問題が多く取り上げられるようになった今、ジェンダーについての基本的な内容に加え、ジェンダー問題の中でトイレをどうすべきかという内容がまとめられています。

最新の情勢を汲み取った内容であるため、今後のトイレ業務の方向性を検討する上でも参考になります。

グッドトイレ選奨の実施

一般社団法人日本トイレ協会の特に面白い取り組みの中に、グッドトイレ選奨があります。

グッドトイレ選奨とは、トイレ文化活動や環境の創造に対して、活動された当事者を讃え、さらなる深化を醸成してくことを目標に設けられています。

毎年グッドトイレ選奨のノミネート作品が発表され、審査が行われます。

ノミネート作品は、トイレの仕事に携わる人以外でもワクワクするようなトイレや、課題解決のできるトイレ、またトイレに関する研究などが作品として発表されており、その中には素敵なアイデアがたくさん詰まっています。

2020年のグッドトイレ選奨のノミネート作品は16作品。その中でも面白い作品を下記に取り上げてみました。

ノミネート作品1:電気と水道が不要で排水が出ないロハスのフラワートイレ

2020年のグッドトイレノミネート作品の1つ目は、『電気と水道が不要で排水が出ないロハスのフラワートイレ』です。

環境の持続可能性が求められる今、再生可能なエネルギーで稼働できるという点も然り、浄化ユニットを花壇とすることでトイレという本来の目的に加え、利用者や利用者以外に癒しを与えることができるのがこの作品の面白さ。

昨今の環境問題にフォーカスを当てるだけでなく使う人・トイレが設置されている周辺の人の気持ちを汲み取った素敵な作品です。

ロハスのフラワートイレは、水洗トイレの洗浄水を再生する浄化ユニットを備えた自立型トイレ。

浄化に必要なエネルギーは水を汲み上げる動力のみであり、再生可能エネルギーや人力での駆動が可能。これにより上下水道と電気に依存しない、持続可能で快適な水洗トイレを提供することができる。

洗浄水を再生利用することで排水が生じないため、処理水の放流が困難な場所での利用が可能となる。さらに、浄化ユニットに観葉植物を植栽することで、浄化ユニットは花壇となる。

この花壇は、洗浄水に含まれる肥効成分を肥料として有効活用する資源循環型の花壇となり、トイレ使用者に癒しを与えてくれる。ロハスとは「健康で持続可能な生活様式」のことである。

環境に負荷を与えず、ヒトを癒す花壇を備え、持続可能な水洗トイレを提供するロハスのフラワートイレにより、インフラや場所に依存する水洗トイレの問題を解消するとともに、ロハスの考えを広めて行きたい。

ノミネート作品2:パブリックトイレの新しい提案「オルタナティブ・トイレ」

2020年のグッドトイレノミネート作品の2つ目は、『オルタナティブ・トイレ』です。

ジェンダー問題は、環境問題に加えて現代の問題となっています。大きな問題であるからこそ、どんな人が使う時でも迷わないように配慮をすることで、ジェンダーの問題からくるトイレの課題を解決に導いています。

このように、ただトイレの課題を解決するだけでなく、現代の問題をトイレから解決するアイデアや取り組みを取り上げるのがグッドトイレ選奨であり、どの作品も見ていてとても参考になります。一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

多様性により、トイレにおいてもオールジェンダー(性別不問)に向けて男女共用にしていこうという議論もある一方で、通り一遍の男女共用トイレが実は誰にとっても違和感がなく居心地良く使えるトイレになっていない可能性があります。

その問題に丁寧に答えるべく、みんなに開かれた選択性のあるトイレを考え、LIXILの新社屋HOSHI棟に計画し、2019年10月に完成しました。

トイレの入り口にある空室表示モニターに、「自分にあった個室をお選びください。」とメッセージを記載しました。

多くの人は、トイレに入る前に立ち止まることなく、何の迷いもなく、男性用か女性用のトイレに入るのではないでしょうか。しかし、トイレに入る度に迷い、立ち止まり、場合によっては入ることを諦める人がいます。

このオルタナティブ・トイレは、インクルーシブを必要とする場所に、インクルーシブなトイレ環境を目指した結果の、ひとつのアイデアです。

公式テーマソングもある!

そして最後にもう1つ面白い取り組みがあります。なんと一般社団法人日本トイレ協会では、日本のトイレ快適化を進めるため、公式テーマソングがあるのです。

トイレについて、より多くの人に広めるための一般社団法人日本トイレ協会公式テーマソングです。

音楽は一見トイレと直接的な関わりはありませんが、現代では生活の一部と言っても過言ではないでしょう。そんな音楽をきっかけに、トイレについて一般の人への認識を広げられる面白い取り組みです。

まとめ

今回は一般社団法人トイレ協会とそのユニークな取り組みをご紹介しました。

様々な取り組みを行うことでトイレ文化の創出と快適なトイレ環境の創造、トイレに関する社会的課題の改善を図る一般社団法人日本トイレ協会。

生活していく上で必要不可欠なトイレだからこそ、トイレに関する業務に携わる人以外にも「面白い!」と感じてもらうことで多くの人にトイレに関心を持ってもらう必要があるのではないでしょうか。

一般社団法人日本トイレ協会のように小さなことからでも取り組みや発信を行うことで、トイレやあなたのお仕事に注目してくれる人は増えるはずです。

法人・個人・団体で会員を募集しているそうですので、気になる方は入会を検討してみても良いかもしれません。