近年、ビジネスシーンにおいて「AIビジネス」と呼ばれる言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
しかし、「AIビジネスって一体何?」「AIビジネスはどういったところで活用されているの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで本記事では、AIビジネスの概要や活用例、そして成功事例を紹介していきます。
目次
AIビジネスとは
そもそもAIとは人工知能(Artificial Intelligence)の略称であり、人間が備えている判断力・思考力・学習力をシステムやコンピューターに組み替えることです。
AIビジネスとは、人工知能をビジネスシーンで活用させることを指します。
しかし、「ビジネスにおいてはExcelや基幹システムなど、人が計算することなく数値を出すシステムと何が違うのかわからない」といった疑問が出てくるでしょう。
従来のシステムとAIの大きな違いは、計算中にミスが発生する点です。
従来のシステムでは、計算を行なった場合、数値が出るか出ないか、のどちらかのみでした。
しかし、AIはプログラムされたデータ上からの計算だけではなく、様々な情報をもとに処理・計算を行い答えを導き出すのです。
そのため、従来の情報だけでは認識すらできなかったデータに対してもAIは認識・計算を行い、処理ができます。
なぜビジネスにAIを活用するのか
AIがビジネスシーンで活用されている最大の要因は「学習できる」からです。
従来のシステムでは、何度も計算を行わせたとしても、能力が向上することはなく、最初から搭載されている技術から進化することはありませんでした。
しかし、AIは人間と同じように、何度も同じ計算を行わせることで、学習しシステム自体をベースアップできるのです。
例えば、写真をAIに見せ続けることで人間の顔と動物の顔・植物など、画像だけで写真に写っている存在を認識、把握できるようになります。
また、AIは人間ではなくコンピューターであるため24時間学習させることが可能となり、飛躍的に精度を進化させられます。
そのため、AIビジネス市場はここ数年で急激に拡大しており、様々なビジネスシーンで活用されているのです。
AIビジネス活用パターン
現在のAIビジネスの活用パターンは、大きく分けて以下の3つです。
- 1.ユーザーリビティの向上
- 2.大量のデータによる感情分析
- 3.文字起こし・要約
順番に解説します。
ユーザーリビティの向上
例えば、検索エンジンにAIを用いることでユーザーリビティの向上につながります。
特に「Google」や「Yahoo!」、「Bing」といった大手IT企業が展開している検索エンジンの発展は、AIの活用による部分が大きくあります。
日々数えきられないほどのユーザーが検索エンジン上で様々な情報を検索することで、検索エンジンに搭載されているAIは学習を行い、よりユーザーが利用しやすいように進化していくのです。
また、様々なユーザーが同じエリアで何度も同じ行動を行うことで、ユーザーが直感的に利用できるサービスの展開を可能にします。
これがユーザービリティの向上に繋がるということです。
大量のデータによる感情分析
AIに大量のデータを与えることで、人間の感情分析も可能になります。
ビジネスシーンにおいて、感情を分析することで文章から人が考えていることが分かるようになります。
例えば、SNSの投稿やWeb上に表示されている口コミなどといった情報からユーザーの感情を把握できると、人がWebやSNS上で市場調査を行うことをせずともスムーズに情報把握が可能です。
また、Web上にある大量のテキストを読み込むことで感情分析を行い、ユーザーが新たな生み出したコンテンツをいち早く把握できます。
文字起こし・要約
テキストによる感情分析と同様に、テキストを大量に読み込ませることで文字起こしや文全体の要約が可能になります。
例えば、商品に関する情報をAIに大量に読み込ませることでユーザーが必要としている内容を分析できるようになり、ECサイトで必ず必要になる商品説明文なども人が考えることなく作り出せるでしょう。
また、自身が出席していないビデオ会議でも、人の会話を読み込ませたAIを活用することで、完全に文字起こしできます。
会話やテキストを読み込ませることによって、システムやプログラムでは到達しなかったことがAIではできるようになります。
AIビジネス成功事例5選
次に、AIビジネスを活用して成功した事例を紹介していきます。
- コールセンター
- WAKUL
- Loogia
- レジ業務
- チャットボット
以上の5つを順番に解説します。
コールセンター
近年、いくつかの大手企業ではAIがコールセンター業務を行っています。
これまで、多くの人的リソースと長時間勤務が求められていたコールセンターには慢性的な人材不足が懸念されていました。
しかし、一定の業務をマニュアル化してAIを活用し、AIでは対応できない顧客に関しては人が対応する形の手法をとっています。
そうすることで人への業務負担を減らして人的なリソースを削減し、効率化を図っています。
また、顧客とスタッフがやり取りする時間が大幅に削減されるため、従来より短い時間で適切な回答ができます。
株式会社WACUL
株式会社WACUL(ワカル)が提供している「AIアナリスト」も文字通りAIを活用したサービスです。
AIアナリストとは、Webサイトのアクセス解析ツールであるGoogle Analyticsのデータを元に、AIが自動的にサイトのCPA(広告単価)やCV(契約数)を分析します。
そうすることで、ユーザーにとってわかりやすい言葉で改善提案まで届けてくれます。
株式会社WAKULが提供しているプロダクトは「AIアナリスト」だけではなく、「AIアナリストSEO」や「AIアナリストRENEWAL」など、AIアナリストの技術を応用したサービスが展開されています。
これまで34,000サイトの分析を行なっているため、「サイトのアクセス数を伸ばしたい」と考えている場合でも、膨大なデータの中から顧客に最適な改善ポイントとデータ根拠を伝えます。
さらに、自社で利用しているGoogleアナリティクスに連携するだけで使用できるため、複雑な設定は必要ありません。
Loogia
Loogia(ルージア)とは、AIを活用した最先端のアルゴリズムとビックデータによって導き出す、高精度の自動配車サービスです。
全国に存在する10万台もの車両走行データを解析し、「走行速度の学習」や「停車位置の推定」を行い、より効率的なルート案内を可能にします。
また、日本の道路交通事情を考慮した、30以上の制約を把握しているため、右折抑制やUターン抑制なども対応しています。
サービス導入時は配車計画の作成を行い、あとは計画に沿って配送するだけです。
さらに、スマホやタブレットを使用して作成したマップの確認が可能で、ドライバーはマップからルートや作業進捗の確認もできます。
管理者はGPSでリアルタイムにスタッフの動態管理が可能であり、配車が完了した後はエクセルでその日の配送実績を出力し、日報作成にも役立てることができます。
レジ業務
近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは人が直接対応するレジではなく、AIを搭載した自動レジが増えています。
また、アメリカでは完全に無人となった店舗に自動レジが導入されている例もあり、入店前にQRコードをかざし、商品の決済は無人レジで行うといった流れの人を必要としないシステムが構築されています。
まだまだ実用化には程遠い分野ではありますが、近い将来に世界中で無人レジが普及するのは間違いないでしょう。
チャットボット
コールセンター業務などにも用いられている分野ではありますが、ユーザーからの質問をAIが自動で返信するチャットボットなども存在します。
これまでの顧客からの質問データをもとに顧客の疑問や行動を学習させることで、AIが顧客の問題を解決します。
あらかじめテンプレートとなる質問さえ用意しておけば、人的リソースや顧客対応の時間削減にもつながるでしょう。
まとめ
以上、AIビジネスの概要や活用パターン、成功事例を紹介していきました。
これまでは簡単に利用できるコンピューターやシステムがビジネスの中心に存在していましたが、AIの活用により、驚異的なスピードで市場は拡大しています。
また、様々な分野での成功事例が増えてきていますが、まだ利用されていない分野があることも確かです。まだ利用されていない分野へのAIの導入は成功のカギとなりえるでしょう。