世界の漏水事情を徹底リサーチ!!

2021/05/13

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日本では当たり前のように蛇口をひねると出てくる「水」ですが、世界的に見ると非常に珍しい光景です。

また、雨漏りや漏水についても耳にする機会が減りましたが、実際のところどういった状況なのか把握していないことが多いでしょう。

そのため、

「日本の水道・漏水事情ってどうなの?」

「世界の漏水事情って日本と比べてどういった状況?」

といった疑問が出てくるのではないでしょうか。

そこで本記事では、日本の水道業者や漏水事情、世界の漏水事情について詳しく紹介していきます。

日本の水道事業の現状

日本の水道事業は世界的に見ても非常に安定しており、高い水質を誇っています。

また、水道普及率は大規模水道事業と小規模水道事業併せて97.7%となり、日本の総人口を元にしているため、日本の大半の家庭に水道が供給されていることを指します。

そのため、水を使用できない場所が珍しく、電気・ガスと同じく日本人は当たり前に水が使用できる認識になっていると言えるでしょう。

基本的に行政が水道事業を規制している

日本の水道業界は、基本的に行政が水道事業を規制しています。

行政構造としては水質管理・財政面においてトップに行政を置き、厚生労働省や総務省が水に関する事項を規制しているのです。

その次に各都道府県が水の管理を行っており、その下に市町村が細かく水道事業を請け負っています。

しかし、水道事業を実際に行っているのは小規模水道事業体であり、日本の大半の水道事業に対応しています。

そのため、各家庭内で水道や水に関する問題が発生した場合は、行政や市区町村に依頼するのではなく、ライセンスを取得している小規模水道業者が工事対応を行っているのです。

取水源の割合

豊かな水を扱っている日本ですが、水道の取水源としてはダムで、47%を占めます。

続いて表流水が26%で、ダムと併せて73%は地表水、残りのうち23%が地下水となっています。

そのため、日本のほとんどの水道事業は、表流水やダムから取水していると言えるでしょう。

また、取水した水はそのまま一般家庭に供給できるわけではありません。

取水した後に浄水処理を行い、供給しています。

ただし、水道の水源はとても清浄であり、塩素注入のみで充分な水質となるため、全国の浄水量のうち18%が消毒のみで供給されています。

今後水質の変化が懸念されていますが、現状では非常に綺麗な水が提供されているのです。

安全に飲める水が常に供給されている

前述の通り、日本で供給されている水道はそもそも非常に綺麗な状態であるため、安全に飲める水が常に供給されています。

海外では、水道の水に大量の塩素が含まれているため、飲み水として利用するためには必ず浄水が必要です。

日本国内でもミネラルウォーター自体は販売されていますが、海外ではごく一般的な出来事と言えるでしょう。

日本の漏水事情

続いては、日本の漏水事情について紹介していきます。

漏水とは、その名の通り水が使用されることなくは無効水量状態で流れていくことを指します。

また、漏水が発生する主な原因としては、水道管の老朽化で上水道の水が外部へ漏れてしまうことです。

しかし、日本は水に対する意識が非常に高いため、これまで国を挙げて漏水対策を行っているのです。

世界的にもトップクラスの漏水率

日本国内の平均無効水量は漏水によるものですが、全体の7.2%であり、世界的に見てもトップクラスの漏水率と言えます。

さらに、全国平均で見ると5%以下となるため、海外都市と比べても圧倒的に低い漏水率を誇っているのです。

また、日本国内で最も漏水率が低い件は福岡県の2.6%となっており、地下に通っている水道管から全く水が漏れていないようです。

スマート水道メーターが水道業務をサポート

日本の水道事業を支えているシステムの1つが「スマート水道メーター」です。

スマート水道メーターとは、日本の多くの水道事業者で導入が始められているシステムです。

導入することで、検針・料金徴収の効率化が可能となり、エネルギーの削減や納入通知書の電子を行います。

さらに、漏水の早期発見も期待されており、効率的で安全な施設運営が可能となります。

海外では、世界40カ国110都市で導入が計画され、すでに導入が進んでいる国も存在しており、ヨーロッパでは1100万台以上、アメリカでは500万台以上、全世界で2100万台以上に達しているのです。

水インフラの老朽化が危惧されている

上記にて、日本の水道事業・漏水状況について紹介していますが、2021年現在では水インフラの老朽化が危惧されています。

日本の水道施設の多くが、1950年代〜1970年代の高度経済成長期に作られているため、2021年には耐用年数の40年が過ぎてしまい、水道管からの漏水・破裂事故が増えています。

そのため、40年以上経過している水道管の交換作業が必要になりますが、莫大な量と予算が必要になるため、思うように進んでいないのが現状です。

さらに、日本自体の高齢化が進んでいるため、費用の補正も間に合っていません。

各水道事業者は、できるだけ危険度の高い水道管から工事に着手していますが、地震などの発生により、更新順序が日々変わっています。

今後もより良い水質で水を提供するためにも、水道管交換作業をできるだけ早く進めていく必要があるでしょう。

世界の漏水事情

日本の漏水率の低さは上記にて紹介しましたが、海外の漏水事情はどうなのでしょうか。

指標として、全世界で水道水が飲める国は15か国存在しており、アジアでは日本とアラブ首長国連邦(UAE)しか存在していません。

ヨーロッパでは水道事業が急速に進んでおり、8つ以上の国が飲める水道水の提供の成功しています。

2021年現在で、飲める水質の水道水の供給は世界的に進んでいますが、実際にはまだまだ技術的・予算的に難しい国が多いのが現状と言えるでしょう。

漏水率10%以上の国が大半

日本では漏水率が5%以下の水準を保っていますが、全世界的に見ると漏水率10%以上の国が大半です。

日本でも戦後すぐは漏水率80%を超えていた時代がありましたが、技術と努力で上記のような水準まで押し上げています。

そのため、日本の高い技術力を漏水率の高い国に対して提供する動きも見られています。

アジアは漏水率が高い

アジアに関しては日本とUAEの漏水率が10%の水準となっていますが、それ以外のアジア圏の国々の漏水率は世界的に見ても非常に高い割合となっています。

フィリピンやインドネシアは漏水率50%となっており、隣国の中国や韓国に関しても漏水率が20%を超えています。

つまり、フィリピンやインドネシアでは、流れる水の約半分が国民提供されておらず、中国や韓国に関しても、5分の1の割合で水が提供されていないのです。

水はどの国に関しても非常に重要な資源であるため、対策が行われています。

しかし、漏水率の低下が進んでいるヨーロッパと漏水率が変わっていないアジア圏では、技術水準や費用面で対応が追いついていないと言えるでしょう。

まとめ

以上、日本の水道業者や漏水事情、世界の漏水事情について詳しく紹介していきました。

高い技術力・漏水力を保っている日本ですが、実際には水道管の耐用年数を大幅に超えてしまっていることが多く、今にも水道管が破裂してしまう危険性が潜んでいます。

そのため、国も総力を挙げて水道管交換に力を入れています。

また、世界ではまだまだ漏水率20%の国が多く、日々資源を失っているのが現状です。

今後のためにも水を無駄にすることなく、感謝しながら使用することが重要です。